GARDEは、世界各地で空間デザインを手がける国際的な設計事務所として、マレーシアにおいても多くのプロジェクトを展開しています。東南アジアの経済成長を背景に、多様なライフスタイルと文化が交差するこの国では、商業施設やレジデンス開発において独自のデザインアプローチが求められています。
今回は、クアラルンプールオフィスが手掛けた3つの最新プロジェクト「Setia Federal Hill Sales Gallery @ Setia International Centre」、「Bukit Bintang City Centre Service Suites」と「Gurney Food Hall」をご紹介します。
Setia Federal Hill Sales Gallery:自然と都市が調和する、新たな体験型空間
「Setia Federal Hill」は、クアラルンプールで最も格式の高いBangsar地区に誕生する高層レジデンス開発です。GARDEはこのプロジェクトのレジデンス共用部、地上階の商業ストリートとセールスギャラリーの基本計画、基本設計、実施設計及び設計監修業務を担当しています。
このセールスギャラリーの核となるデザインコンセプトは、「自然と都市の調和」です。活気あふれる都市景観と、日本の森林浴から着想を得た自然を感じられる空間を融合することで、来場者に癒しと新たな体験を提供する空間を目指しました。
ギャラリー全体を「自然の中を歩く」体験として味わっていただくため、使用する素材にもこだわっています。
メインとなる素材には木材や石材などの天然素材を採用しました。吹き抜けの2階部分の壁面に使用した半透明のファブリックパネルは、森の樹冠から差し込む暖かく心地のよい太陽光をモチーフにした 「ランタン」として機能しています。空間全体の色調はソフトな中間色でまとめ、静寂な自然の優雅さと、明るく開放的な雰囲気を最大限に引き出しました。
来場者がSetia Federal Hillでのくつろぎ空間と魅力的なライフスタイルを具体的にイメージし、分譲物件の魅力を体感できる様に工夫を凝らしています。
Bukit Bintang City Centre Service Suites:洗練された都市生活のための、普遍的なデザイン
「Bukit Bintang City Centre(BBCC)」は、クアラルンプールの中心部に位置する、商業、オフィス、ホテル、レジデンスが融合した大規模複合開発プロジェクトです。GARDEは、このプロジェクトにおいて、サービススイート「BBCC Service Suites」の基本計画、基本設計、実施設計、監修及びVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)を担当しました。
BBCCは、クアラルンプールの主要エリアであるブキット・ビンタン地区に位置し、国際色豊かな都市生活を象徴する新たなクアラルンプールのランドマークとなることを目指し計画されています。これに沿ってデザインは、外国人ゲストのニーズに適応する、タイムレスで快適な居住空間を創造することを目的とし、日本の代表的なミニマリズムデザインと北欧デザインを巧みに融合させ、シンプルでありながらも洗練された空間を提供しました。住まう人々に上質で普遍的な居住体験を刻んでいただきたいという思いを込めています。
Gurney Food Hall:ペナン島の文化、食、芸術が伝わる、洗練された空間
クアラルンプールオフィスではレジデンス以外にも幅広い分野のプロジェクトを手掛けています。中でもGurney Food Hallはマレーシア随一の観光地ペナン島を代表するショッピングモール“Gurney Plaza”の新たな集客装置として計画された延床2,500㎡に及ぶプロジェクトで、竣工から4年が経過した今でも反響が大きい実績の一つです。
ペナン島は古くから交易船の寄港地として栄えていたことから、東南アジアにおける最も重要な貿易の拠点として様々な文化を取り入れながら独自の発展を遂げてきた地域です。GARDEはこの魅力的な都市の生活と食文化を象徴する「埠頭」「港」「ヤシの木」と「中庭」をキーワードと設定し、現代的なフードボールを作り上げました。
担当者コメント
クアラルンプールは急速な経済成長とともに、多様な文化が交り合う非常に魅力的な都市です。私たちは、この都市のエネルギーと独自性を最大限に活かし、地域社会に根ざし、住まう人々に長く愛される空間を創造することを目指しています。
東南アジア市場は今後もさらなる成長が見込まれる非常にダイナミックな市場です。私たちはクライアントのニーズを深く理解し、顧客のビジネスの発展に貢献し、かつ地域性や持続可能性といった社会的要請にも応えることで、この地域の経済と文化の両面の発展に貢献できると信じています。また、現地のデザイナー、コンサルタントやパートナーとの協力を大切にし、地域の習慣を尊重したデザインを実現しています。
今後も、クアラルンプールを拠点として、多様なプロジェクトに挑戦し、東南アジアにおけるデザインの可能性を追求することで、豊かな都市生活の実現に貢献していきたいと考えています。(GARDE Kuala Lumpur, 山内)
クアラルンプールオフィスの展望
GARDEクアラルンプールオフィスは、今後も多様なプロジェクトを通じて、東南アジアのデザイン市場における価値創造を続けていきます。国際的な視点とローカルの文化を融合させたデザインで、クアラルンプールの都市発展に貢献することを目指しています。