Project

GARDE For 『THE APOLLO』 -シックな店内でシドニー発のモダンギリシャ料理を-

2016年に銀座に誕生した、Jonathan BarthelmessとSam Christieが手掛けるオーストラリア・シドニー発のモダンギリシャレストラン「アポロ ( THE APOLLO )」。オープンから8年経った現在も大盛況を博す人気店です。

GARDEはオープン時の内装設計と施工、現在はメンテナンス改装を担当させていただいています。

内装の特徴である一面ガラス張りの大きな窓とスケルトン構造の広い天井は開放的な印象を空間に作り出しています。
大理石のカウンター天板やアーム式照明、温もりのある木家具など細部までこだわりのあるインテリアはシドニーの本店と揃えたもので、シックでクールな印象をもたらします。

新鮮な食材を活かし、オリーブオイルや野菜、魚介類をたっぷり使ったヘルシーなギリシャ料理。
美しくモダンにアレンジしたメニューの中にも伝統が織り交ざる、ツイストの利いたギリシャ料理がTHE APOLLOでは堪能できます。

■THE APOLLO

HP: http://theapollo.jp/

住所: 東京都中央区銀座5-2-1東急プラザ銀座 11F

GARDE For『Hexagon Manufacturing Intelligence 東京オフィス』 企業ブランドが体感できる心地よいワークプレイスをデザイン

センサー、ソフトウェア、自律制御技術を組み合わせたデジタルリアリティソリューションのグローバルリーダーであるHexagon Manufacturing Intelligence。持続可能な未来に向けて世界を推し進めることに重点を置いている企業です。

この度GARDEはHexagon Manufacturing Intelligence 東京オフィスの改修として、インテリアデザイン、グラフィックデザイン、施工管理、家具選定を担当させていただきました。

ブランドイメージを映し出すフィーチャーウォール

ゲストを最初に迎える空間であるレセプションエリアには、企業ブランドを体験できるようフィーチャーウォールを設けました。
インダストリアルな業界で複合的なサービスを展開するブランドから着想を得て設計したフィーチャーウォールは、パンチングメタルパネルとコーポレートカラーで着色されたリブ材、特殊左官を組み合わせて表現しています。

働きやすく心地よいワークプレイスづくり

コロナ後の働き方の変化にともない、従来固定席だったワークプレイスにABW(Activity Based Working)*を導入。社内コミュニケーションの活性化を図るため、多様な目的に合わせた居場所づくりやワーカーが効率的かつ快適に働くことができるハイブリッド型のワークプレイスを目指しました。
*社員が業務内容や気分に合わせて、時間と場所を自由に選択する働き方

ワークプレイスエリア内にはコラボレーション、ソロワーク、カフェ、パントリーを配置することで、効率的で多様なアクティビティを生み出すための “新たなコミュニケーションの場” を生み出しました。
また、コーポレートカラーをアクセントにしたグラフィックシートや、企業ロゴをイメージした特注壁紙で壁面を仕上げています。

環境に優しいマテリアル選定

再生材や天然木を使用したペンダント照明、100%リサイクル可能なカーペット、廃床材リサイクル循環に基づいた塩ビタイルの選定など、サステナビリティ戦略を企業理念に掲げるクライアントからインスパイアを受け、環境に配慮されたマテリアルをオフィスづくりにも取り入れました。

オフィス室内でも自然を感じることができるよう、リラックス効果や視覚疲労の緩和、生産性の向上などが期待できるグリーンを効果的にレイアウトし空間に彩を添えています。

■デザイナープロフィール
上野 信幸
国際デザイン事業本部 チーフデザイナー
国内設計事務所にてオフィス、ホテル、商業施設など幅広いインテリアデザイン業務に従事した後にGARDEへ入社。オーストラリア設計事務所でのインテリア経験もあり、グローバルな視点から新たなアクティビティや体験価値を提案することを常に心掛けている。

■業務内容
内装設計、グラフィックデザイン、施工管理、家具選定

■物件情報
Hexagon Manufacturing Intelligence(オフィスデザイン)
竣工・引渡し日:2023/ 10
フロア面積:1026㎡

■Hexagon Manufacturing Intelligenceについて
Hexagon Manufacturing Intelligenceは設計からエンジニアリング、設計、計測に至るまでデータを活用したソリューションを提供し、お客様のさらにスマートな製品製造を支援する。
HP:https://h-mi.jp/lp-company/

Image Credit: Kenji MASUNAGA

GARDE For『ルイスポールセン東京』世界初の直営フラッグシップストアが2023年11月10日にオープン

1874年に創業し長い歴史を持つ、デンマークの照明ブランド『ルイスポールセン』。
これまでコントラクト向けのショールームを展開していた同ブランドですが、より幅広いお客さまにご来店いただける店舗として、世界初の直営フラッグシップストア<ルイスポールセン東京>を東京都港区青山にオープンし話題を呼んでいます。

フラッグシップストアへと生まれ変わった店舗制作においてGARDEはローカルアーキテクト、プロジェクトマネジメント、施工を担当させていただきました。

伝統的なデザインと素材、カラーリングからインスピレーションを得たこの店舗は、2023年1月にアップデートされたルイスポールセンの新しいブランド・アイデンティティを反映。エントランス付近の外壁に新設されたロゴマークは、ルイスポールセンのイニシャル「LP」と、ブランドの最も象徴的で革新的なデザインである3枚シェードのランプをエレガントに表現しています。
魅力が詰まったこの新店舗で、情熱的なクラフツマンシップ、高品質な素材、革新的なデザインが生み出すハイエンドな照明を堪能してみてはいかがでしょうか。

詳しくは以下URLよりご覧いただけます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000061855.html

ルイスポールセン東京ストア
住所:東京都港区北青山3-2-2 AYビル 1F・2F
営業時間:11:00~19:00 不定休

特設ページ:https://www.louispoulsen.com/ja-jp/private/about-us/tokyo-store
公式サイト:https://www.louispoulsen.com

Image Credit: Louis Poulsen

延吉百貨大楼改装プロジェクト#2 ―2Fウィメンズフロア―

エリアトップの収益を誇り、延吉市を代表する高級百貨店「延吉百貨大楼」でスタートした、フロアごとのリノベーションプロジェクト。前回記事の4Fメンズフロアに続き、今回は2Fウィメンズフロアをご紹介します。GARDEは基本計画、基本設計、実施設計、設計監修、照明設計を担当させていただきました。

4Fメンズフロアの改装記事はこちら

デザインコンセプト&キーワード

延吉百貨大楼2Fウィメンズフロアの改装コンセプトは“Luxury from bold & delicate”。
このコンセプトを表現するのに不可欠なのが、Simple, Elegant, Playfulの3つのキーワードです。シンプルかつエレガントな女性らしい柔らかなフォルムでフロア全体を構成。シンプルな中にもアクセントとなる部分を形状や色で遊び心を演出し、空間を楽しく回遊できる仕掛け造りで、若い世代にも支持されるファッションフロアとなるよう期待し設計しました。

フロアの見どころ①:煌びやかなイベントスペース

ウィメンズフロアにおいて、期間限定のPop-Upイベントスペースは来館者の回遊を促すという重要な役割を担っています。そのためフロア内で華やかさを魅せるエリアとして、見せ場となるようなデザインを意識し造り上げました。

複数あるPop-Upスペースの天井は全て意匠を変え、それぞれの空間コンセプトと光の演出に違いを与えました。シンプルな空間の中にも変化を生み出すことで、来館者が飽きることなくフロア内を隅々まで楽しんでいただけるよう設計しています。

高さのないフロア天井により大きな照明や立体的な作りが難しいという条件下で、奥行き感・立体感を出し、目を引く意匠とするため、天井鏡面を施し、ランダムな長さで映り込ませた吊り照明で演出した。照明はゴールドとシルバーをミックスして単一的な見え方にならないよう工夫。 女性らしい繊細さとキラキラとした輝きを放つ、立体的なPop-Upスペースが完成した。
フロアの見どころ②:魅力際立つランジェリーエリア

クライアントとテナントから好評を博すランジェリーエリア。
エリア全体の統一感を出しつつも、各テナントがセミプライベートな空間であるという感覚を引き出すために構築したスリットのデザイン。スリット部分のパイプは6角形にすることで面が増え、光の反射によりきらきらと瞬く印象をもたらす効果があります。

より世界観を強調するために、中島区画には壁面造作及びフィッティングルームを施しました。これにより2Fフロアの中でランジェリーエリアがより際立つ存在となり、デッドスペースを活かすというクライアントの要望にも応えることができたと考えています。

こうして、暖かみのある女性らしい装いを表現したランジェリーエリアが誕生しました。

デザイナーメッセージ:全体のリノベーションを終えて・・

商業マーケットはチャネルが多様化し、特にオフライン消費がオンライン消費に押し負けているという傾向が続いています。ただし一方では、オンライン疲れで、オフライン消費の楽しさを再認識する傾向も見られます。買うことだけでなく、知ること、話すこと、実物を見ること・触れること、オフライン消費は様々な体験に溢れています。室内設計が出来ることは、そうした体験を強調し、長期記憶として残し、またあの場所に行こうと思い出させることです。延吉百貨は、更に愛される施設を目指して生まれ変わり続けます。その姿を地域の皆さんにも見守り続けてほしいと思います。

担当デザイナー

若山晃久/Akihisa Wakayama
デザイン事業本部 大型デザイン1課 チーフデザイナー

国内の設計事務所にて、大型商業施設のデザインに従事した後、2021年ギャルドに入社。百貨店等大型商業施設を中心にデザインを行う一方、専門店等も多数手がける。現在はアジアのプロジェクトを中心に幅広く活動を行っている。

物件情報

名称:延吉百貨大楼2Fリノベーション(ウィメンズフロア)
正式開業:2023年8月18日
所在地:吉林省延吉市光明街608号
設計対象面積:7600㎡

GARDEがこれまで手掛けたプロジェクトは以下よりご覧いただけます。
https://garde-intl.com/top.php?lang=jp#

延吉百貨大楼 改装プロジェクト#1 ―4Fメンズフロア―

吉林省内の延边自治州、延吉市にある高級百貨店「延吉百貨大楼(Yanji Department Store)」は、エリアトップの収益を誇り、延吉市を代表する百貨店です。

そんな延吉百貨大楼がフロアごとのリノベーションプロジェクトをスタート。昨年の6Fキッズフロアに続き、4FメンズフロアにおいてもGARDEは基本計画、基本設計、実施設計、設計監修、照明設計を担当させていただきました。

6Fキッズフロアの改装記事はこちら

改装の全体感

改装前の館内の全体像は、動線が単一的かつフロアの空間意匠も統一的。テナントや商品がきちんと整理されていると感じる一方で、商業施設=楽しいものと捉え、もう少し刺激や変化を加える必要がありました。
そこで、空間意匠の大きな方向性として「フロアごとに、テナントに沿った特徴を創出」、「動線に変化を持たせ楽しく回遊」、「機能やアイキャッチな箇所を増やし、見どころ豊富な売場を展開」のように設定し、各フロアの改装に繋げていきました。

デザインコンセプト&キーワード

延吉百貨大楼4Fメンズフロアの改装コンセプトは“NOBLE MODERN MEN’S LOUNGE” ∼シンプルで洗練された落ち着きのあるラウンジ空間∼。
あまりカラーを多用せず、高級感と質感を上げたいというクライアントの希望により以下のキーワードで構成しました。

  • BEIGE TONE
  • グレーベージュを基調とした明るく高級感を感じる空間を目指し構成。
    同系色でまとまったシンプル空間は単調な印象を与えてしまう点を考慮し、

  • LINE
  • ラインデザインを用いて空間全体にダイナミックな動き・変化を加え、

  • GEOMETRY
  • 空間のアクセントとして、幾何学模様デザインを随所にあしらい立体感・変化を作る。

    この3つのキーワードによって、デザイン性ある上質な空間の演出に成功しました。

    テナントのグレードアップとフロアの開放感をデザインで両立

    売場は大きく分けて、壁面店舗と中島店舗の2つ。壁面店舗は面積が大きく取れ、壁面も多い為、有力なブランドが入る構図が一般的です。一方で中島区画は、商品展開量が限られ壁面も少ないため、力の及ばないテナントが入るもの、という先入観があることも事実。この点を払拭し、中島区画にも優良店舗を入れる事で、壁側・中島との格差を減らし、フロア全体のテナントグレードアップを図りました。その為に、中島区画の魅力創出として、一点は動線的な有利性、もう一点は中島区画の意匠性の向上を目指しました。

    上記の取り組みにより、中島区画にも有力なブランドのリーシングが決まったものの、テナントのレイアウトに対する要求はフロア設計の機能を崩す恐れのあるものでした。
    テナント内に壁を作ることで影が生まれ、壁面店舗を隠してしまうことを防ぐため、中島区画は見通し度の高い設計規制を設けています。設計監修として、開業ギリギリまで粘り強く交渉を続けることで、フロア全体が閉鎖的になることを防ぎ、テナントのグレードアップとフロアの開放感の両者を叶えることができました。

    改装の最難関、照明計画

    照明は器具一つで空間の雰囲気・印象を大きく変化させる重要な要素の一つです。
    昨年手掛けた6Fキッズフロアの改装では、想定よりもフロアが暗く、特に中島区画のテナントは照明を追加しないと照度が不足するという問題が発生。
    中国では施工会社の予算の関係で、常に照明器具の置き換えが生じ、コロナ禍も相まって希望の器具の調達が更に困難となります。
    前回の課題を確認・クリアしながら、求める照度・効果に向けて設計しつつ、現場で起こるリスクも考慮しながら進めることで、照度の課題を大幅に改善することができました。

    メンズフロア改装までの道のり

    百貨店のメンズフロアは、ウィメンズフロアに比べてケーススタディとなる施設や空間が少ないため、どのような空間が改装後のフロアとしてふさわしいのか、イメージ共有の段階でクライアントと幾度となくコミュニケーションを取り合いました。

    たとえば、天井や床の色味のバランス感やデザインの複雑さの度合いについての議論では、動線的・視覚的にフロアの端々まで来館者が回遊する効果を持たせるため、天井・床にダイナミックな斜めライン意匠を用いるなど、手探り状態の中でも議論を続け、着地点を見出してきました。これを繰り返し、理想通りの空間へ1歩ずつ近づけることができたと実感しています。

    天井は白を用いてシンプルに、床は3色を貼り分け。上下に同じ角度のラインを施すことで空間の統一感をも生み出す。
    物件情報

    名称:延吉百貨大楼4Fリノベーション(メンズフロア)
    正式開業:2023年5月31日
    所在地:吉林省延吉市光明街608号
    設計対象面積:7600㎡

    次回は同物件の2Fウィメンズフロアの改装秘話に迫ります。

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