墨の滲み、掠れ、重なりは、理性の膜を破り、意識の奥へと沈み込む軌跡
「自由(みずからによる)、奔放、表現、動と静、白と黒の世界、創造、言葉を感じる」アーティスト、伊藤倫(Rin Ito)の個展「Depth: 深さ」を2026年3月17日(火)から3月31日(火)まで、GARDE ART GALLERYにて開催いたします。
見えているものは、ほんの表層にすぎません。墨は沈み、線は迷い、書は意味を失うことで心の深層へと触れていきます。墨の滲み、掠れ、重なりは、理性の膜を破り、意識の奥へと沈み込む軌跡です。そこにあるのは答えではなく、深さそのもの。意味が発生する直前、思考がかたちになる手前。ここにあるのは言葉ではなく、痕跡であると、伊藤は語ります。
伊藤倫《網の手/ 700×850mm 2022年_墨、和紙》
落ちてくるものと登っていくもの。網羅とは縦横無尽。線と円と黒と白。
伊藤倫《draw a line 無駄なこと/630×770mm 2024年_墨、鉛筆、スケッチブック》
伊藤は、無駄な落書きを一貫することに力を注ぎました。「無駄」「落書き」はどちらも「意味のないような」響きです。その無駄をいい歳の大人が続けるのは忍耐力が必要です。人間は何かに意味を見つける存在です。何でもいいから意味がないと人は不安となります。意味がないことは心を空しくさせます。きっとそんなときに胸に刺さる表現があり、色んな思いが浮かんでは消えていきます。今この時間がもう永遠に蘇らない無駄なのかもしれません。
伊藤倫《美/730×440mm 2024年_墨、和紙》
「び」は前から読んでも後ろから読んでも「び」。「美」は左右対称なつくり。美しいとは…
伊藤倫《天上天下/900×750mm 2025年_墨、和紙》
突き上げるのは上であり下である。
上へと突き動かされる熱量は時に下へも突き動かされます。
伊藤倫《マド/200×650mm 2025年_ボンド墨、和紙 》
窓の外から見るのか、窓の中から見るのか。マドという境界線を隔てた自分の心。
伊藤倫《網の手-2-/690×875mm 2022年_墨、和紙》
単純な構図から構成された流れと止まるを表現。画面に余白を残しシンプルであるからこそ静寂と躍動が伝わります。
伊藤倫《網の手₋掌₋/550×880mm 2023年_墨、和紙》
混ざり合い混じりあって交じることでこの関係は成立する、関り合い交じり交差しすれ違う。
伊藤倫《進/715×905mm 2023年_墨、和紙》
伊藤は、文字と非文字の関係は線と点、余白と墨の関係にあると考え、文字の意味と形を理解します。画面を闇雲にぬりつぶす行為から生まれた今作は「進」。伊藤は、文字の形と意味が先か、ふとした瞬間に読み取れたものがあっても良いのではないかと思った。それは文字と非文字の関係であると考えます。

伊藤倫《自由/450×370mm 2025年_墨、和紙》
絡み合い、ほどきながら…自由とは手に入れていくもの。
伊藤倫
学生時代から詩を綴り始める。自分を受け入れてくれるノートとペン。他者との共鳴、共感を軸に贈る言葉より共鳴する言葉を綴る。詩人・谷川俊太郎氏(故人)との手紙から他者へ贈る言葉の意味を知り、路上などで多くの人に言葉を贈る。その後、ペンを筆に持ち替え、静寂の白に息づく黒の世界、静と動を兼ね備えた作品制作に取り組んでいる。
1977年長野県生まれ。2004年国際ヴィエンナーレ・イン・スペイン出展。日本文化を海外に発信する国際的イベントで短詩系文学(詩)をスペインの地で発表。海外で改めて日本文化に接する機会に恵まれ、そこで観た書のパフォーマンスの圧倒的迫力に心を打たれる。帰国後、地元の飯山市を離れ、長野市に移住。路上での即興書き下ろしパフォーマンスを始め、前衛書作品の創作、ライブ書道、講師も務める。商品ロゴ書、題字書など施設、企業からの商業書道の依頼も多い。独自の書のスタイルを構築すべく日々、作品制作に挑む。
主な受賞歴
令和2年 独立書人団・会友
令和2年 日本書塾会 師範
令和2年 独立書人団 独立展 入選 (国立新美術館)
平成31年 独立書人団 独立展 入選 (国立新美術館)
平成30年 長野県文化会館 ホクト文化ホール35周年記念ロゴ 採用
平成30年 日本書道教育学會展 入選/東京都美術館
平成28年 長野県若手作家公募展「トライアルギャラリー2015選抜作家」
平成27年~29年 日本書道教育学會展入選/東京都美術館
平成26年 日本武道館 高円宮杯 大会奨励賞
平成24年 日本武道館 全国書き初め展 大会奨励賞
平成23年 日本武道館 高円宮杯 日本武道館賞
平成22年 産経国際書展 入選/池袋サンシャイン
平成21年 産経国際書展 入選/東京都美術館
平成20年 黒沢明生誕100周年記念【生きる】入選/銀座クオリア
平成19年~21年 驥山館 特選
主な個展・グループ展
令和7年 長野県ゆかりの美術家グループ展「人間の証明」(ホクト文化ホール/長野県県民文化会館ギャラリー)
令和6年 長野県ゆかりの美術家グループ展「蠢くもの」(文武学校)
令和6年 ART SHODOWグループ展(中目黒)
令和6年 個展「ずきん」画廊Banana Moon(安曇野/企画展)
令和5年 個展「マスク」画廊Banana Moon(安曇野/企画展)
令和3年 伊藤倫展「沈黙の黒、語る白、色はコトノハ」(信毎メディアガーデン・主催 信濃毎日新聞社)
平成31年 企画展「静寂と衝動」(おぼろ月夜の館・主催 野沢温泉村教育委員会)
平成30年 軽井沢プリンスホテル・軽井沢ショッピングプラザ元旦ライブ書道
平成29年 企画展 一線を画す[draw a line](元麻布ギャラリー佐久平)
平成29年 陶芸と書 二人展 (中野陣屋記念館)
平成28年~29年 鶴田一郎美人画展ゲスト作家(北野カルチャラルセンター)
平成27年 鬼無里鬼女紅葉祭り/奉納ライブ書道(松厳寺)
平成27年 個展[天地創造](朝陽館ギャラリー)
平成27年 善光寺御開帳記念/門前町大縁日/ライブ書道(セントラルスクウェアー)
平成22年~24年 白馬五竜ライブ書道(インバウンド向けイベント)
伊藤倫 個展「Depth:深さ」開催概要
会期:2026年3月17日(火)~3月31日(火)
時間:11:00~18:00(最終日は16:00まで)
会場:GARDE Gallery
休廊日:日、祝日
販売予定URL:https://www.art-afd.jp/
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