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GOCA by Garde、ART FAIR TOKYO 20にて 大岩オスカール個展「Harvest of Light ― 光の収穫」を開催 会期:2026年3月13日(金)~3月15日(日) 会場:東京国際フォーラム

“Light House”, 2025 oil on canvas 131x 161cm (100号)

GARDEが運営するアートギャラリーGOCA by Gardeは、日本最大級のアートフェア「アートフェア東京」の20回目となる「ART FAIR TOKYO 20」において、ニューヨークを拠点に国際的な活動を続ける現代アーティスト大岩オスカールの個展『Harvest of Light ― 光の収穫(サブタイトル:Cultivating the In-Between / 境界を耕す)』を開催いたします。

本展は、日本の原風景である「田んぼ」や、人々の日常に根ざした「食(弁当・屋台)」をモチーフとした作品を中心に、大岩が長年探求してきた「境界(in-between)」というテーマを提示します。ブラジル、日本、アメリカという複数の文化圏を横断してきた自身の経験を背景に、文化や記憶、風景が交差する独自の世界観を展開します。

本展の見どころ

1965年、ブラジル・サンパウロに日本人の両親のもとに生まれ、東京を経て現在はニューヨークを拠点に活動する大岩オスカールは、自らを「世界の狭間(in-between worlds)のアーティスト」と定義しています。ブラジルと日本という異なる文化の間で育った経験は、対比や混種性(ハイブリディティ)に対する独自の感受性を彼にもたらしました。
建築と都市計画を学んだ大岩にとって、風景は単なる背景ではありません。彼が描く一見見慣れた光景には微細な歪みが潜み、自然と建築、現実と想像が滑らかに交差していきます。
本展の中心作品である、幅2メートルを超える大作『Paddy Field』(2023)では、人間が大地に刻んだ幾何学的な水田のグリッドが、記憶と自然が交錯する圧倒的な「光のマトリックス」へと変容します。
また、『Hell’s Kitchen 2』や『Light Shop 4』といった作品では、屋台や弁当といった日常のモチーフを通して、大岩作品の特徴である「ユーモアと不安の共存」が表現されています。日常の風景をわずかに「不可能なもの」へと変容させることで、私たちが日々通り過ぎる環境との関係性を改めて問い直す空間が立ち上がります。
大岩が世界を移動しながら「境界」という土壌を耕し、そこから生まれた実りをキャンバスに定着させた「光の収穫(Harvest of Light)」を、ぜひご高覧ください。

“Paddy Field”, 2023, oil on canvas, 111 x 227 cm

“Hell’s Kitchen 2” , 2023, oil on canvas, 101.5 x 137.7 cm

Light Shop 4, 2024, oil on canvas, 137 x 101.6 cm

 

展覧会開催概要

タイトル : Harvest of Light ― 光の収穫(サブタイトル:Cultivating the In-Between / 境界を耕す)
期間   : 2026年3月13日(金)~3月15日(日)
会場   :東京国際フォーラム【Galleries:N067】GOCA by Garde
住所   :東京都千代田区丸の内3-5-1
観覧料  : 1DAYパス 5000円 / ペアパス 9000円 / シーズンパス(通し券)8000円
開館時間  :11:00~19:00(3⽉15⽇は〜17:00)※入場は閉場30分前まで
公式サイト: https://artfairtokyo.com

 

アーティストプロフィール

大岩オスカール(Oscar Oiwa)
1965年、ブラジル・サンパウロ生まれ。1989年にサンパウロ大学建築都市学部を卒業後、1991年に東京へ移住。2002年よりニューヨークを拠点に活動。
ドローイング、絵画、大規模なインスタレーション、パブリックアートなど多様な表現を展開し、これまでに世界各地で200以上の展覧会(うち60以上の個展)を開催しています。主な展示先には、東京都現代美術館、リオデジャネイロ国立美術館、パリ日本文化会館などがあります。
また、パブリックアートの分野でも世界的な評価を受けており、2025年にはニューヨーク市地下鉄(MTA)のための恒久モザイク壁画作品『Woodside Window』を完成させました。
その功績が認められ、2019年に紺綬褒章を受章。さらに、Pollock-Krasner Foundation、John Simon Guggenheim Memorial Foundationなど、国際的に権威ある助成・フェローシップを多数受けています。
公式HP:https://www.oscaroiwastudio.com/

 

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伝統と現代の境界を再考する3人のアーティスト 清水ちえ、田中さお、アン・ソンミン グループ展「Beyond the Archetype」 ニューヨークのGOCA by Gardeで開催 会期:2026年3月5日(木)~4月23日(木)

GARDEが手掛けるアートギャラリーGOCA by Gardeにて、清水ちえ、田中さお、アン・ソンミンの3名によるグループ展「Beyond the Archetype」を、2026年3月5日(木)より開催いたします。

本展は、「アーキタイプ(原型)」という概念が歴史の中でどのように形成され、文化や社会の中で継承されてきたのかを問い直す展覧会です。生命、国家、文化といった枠組みの中に存在する見えない構造を、客観的かつ自由な視点から捉え直しながら、その境界を流動的に再考します。
伝統と現代、東洋と西洋、自然と人工といった対立的に語られがちな要素を横断しながら、3名のアーティストはそれぞれの方法で文化の記憶や精神性を掘り下げ、現代社会における新たなアーキタイプの可能性を提示します。

 

本展の見どころ

・清水ちえ
清水氏は、日本の伝統芸能や精神文化に根差した彫刻作品を通じて、現代社会における人間の存在を問い続けています。能や茶道などに代表される日本の芸道の思想や、日本文学に通底する無常観、そして幽玄の美意識を背景に、人間の内面に潜む感情や精神性を表現しています。
代表的な《Head Series》では、2020年のパンデミックや政治的混乱といった現代社会の不安を、能面の表情に重ね合わせることで、時代を超えて共有される人間の感情を象徴的に可視化しています。
本展で展示される《Untitled No.16》は、日本の伝統芸能である獅子舞から着想を得た作品で、静と動の対照的な二つの姿を通して、精神と身体の均衡の重要性を示唆しています。古来のシャーマニズム的思想と生命の儚さを現代的な物語へと再構成することで、人間の存在の根源的な意味を問いかけています。

左: Untitled No.16 (subtitle: Spirits of Lion Mask),2020
Ultra-cal, plaster, seashell powder, pigments, white gold and silver leaf, twine
35 x 28 x 35 inches (89 x 71 x 79 cm)
右:Wall Head No.8 : Rage,2025
Ultra-cal, plaster, seashell powder, pigments, gold and white gold leaf, wire, bamboo, twine
12 x 7.5 x 28 inches (30.5 x 18 x 71cm)

 

・田中さお
田中氏は、水墨画という歴史的な絵画形式を出発点に、土地の記憶や人々の集合的なアイデンティティを現代的な風景として描き出します。
日本画における「自然」という概念が、日本の近代化の過程で「伝統」という思想の中で構築されたものであるという視点をもとに、光、水、山、空気といった自然要素を多様な美術史や視覚文化から再構成し、架空の神話が展開する風景を描き出します。
技術と伝統の対比を通じて歴史や制度の可変性を浮かび上がらせながら、自然と人工という二項対立に潜む緊張や矛盾を視覚化し、異なる概念のあいだに存在する曖昧なグラデーションを探求しています。

左:There Was Day and There Was Evening 2, 2024
sumi ink, acrylic oil, gold paint on mulberry paper
12 x 12 inches(30.5 x 30.5 cm)
右:Mythopoeia (#1), 2026
sumi ink, acrylic oil, gold paint on mulberry paper
24 x 18 inches(61 x 45.7 cm)

 

・アン・ソンミン
アン氏は、韓国の伝統絵画を現代科学や多層的な空間概念の視点から再解釈することで、文化の交流と時間の流動性を再考する作品を制作しています。
韓国の伝統絵画を学んだ経験を基盤に、水墨画と彩色画という歴史的に分離されてきた絵画様式を一つの画面に融合させ、現代社会における共存と均衡のあり方を表現しています。
また、西洋的な線遠近法とは異なる視点を取り入れ、複数の視点が共存する東洋的な逆遠近法の思想を作品に取り込むことで、東洋と西洋、伝統と現代といった対立的な要素が相補的な関係にあることを示します。
その結果として、多層的でハイブリッドな空間が立ち上がり、既存の枠組みに縛られない新たな文化的アーキタイプを提示しています。

左:Peonyhat Vanilla 4, 2024
Ink, pigment, and wash on plywood
23 x 27 inches(58.4 x 68.5 cm)
右:Cloudwater Italian Frame 3, 2019
Ink, pigment, and wash on plywood
28 x 28 inches(71.1 x 71.1 cm)

 

展覧会開催概要

タイトル :「Beyond the Archetype」
期間   : 2026年3月5日(木)~4月23日(木)
住所   :GOCA by Garde 515 W 23rd St, New York, NY 10011
入場料  :無料
公式サイト:https://www.goca.gallery/

 

アーティストプロフィール

清水ちえ(しみず ちえ)
東京藝術大学工芸科金属専攻にてBFA取得後、2001年にニューヨーク・アカデミー・オブ・アートで彫刻のMFAを取得。現在はニューヨーク・クイーンズを拠点に活動。
主な個展にNowHere Gallery(ニューヨーク、2022)、Gallery Kōbō(東京、1993・1996・2025)など。2024年にはForum Galleryで開催されたSummer ExhibitionにてFirst Prizeを受賞。フランスのChâteau de BalleroyやニューヨークのThe Church in Sag Harborなどでアーティスト・イン・レジデンスに参加。
公式HP:http://www.chieshimizu.com/

田中さお(たなか さお)
多摩美術大学日本画専攻を2014年に卒業後、一橋大学大学院社会学研究科にて修士号を取得。2021年にはニューヨークのSchool of Visual Artsにて研修。
主な個展にTSUTAYA GALLERY(東京、2025)、Mizuma & Kips Gallery(ニューヨーク、2022)など。The Drawing Center(ニューヨーク、2025)、広島市現代美術館(2018)などでのグループ展に参加。Pola美術振興財団の助成(2024–2025)を受け、NARS Foundation(2024)、Vermont Studio Center(2025)などのレジデンスに参加。
公式HP:https://www.saotanaka.com/

アン・ソンミン(あん そんみん)
ソウル大学で東洋画のMFAを取得後、メリーランド・インスティテュート・カレッジ・オブ・アートでMultidisciplinary ArtのMFAを取得。
メトロポリタン美術館、クイーンズ美術館、Asia Societyなどで教育活動にも携わる。作品は韓国国立現代美術館、プリンストン大学美術館、ハドソンリバー美術館などに収蔵。Pollock-Krasner Foundationをはじめとする数々の助成を受けている。
公式HP:https://www.seongminahn.com/

 

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GARDEで開催のアートプロジェクト:伊藤倫 個展「Depth: 深さ」

墨の滲み、掠れ、重なりは、理性の膜を破り、意識の奥へと沈み込む軌跡

「自由(みずからによる)、奔放、表現、動と静、白と黒の世界、創造、言葉を感じる」アーティスト、伊藤倫(Rin Ito)の個展「Depth: 深さ」を2026年3月17日(火)から3月31日(火)まで、GARDE ART GALLERYにて開催いたします。

見えているものは、ほんの表層にすぎません。墨は沈み、線は迷い、書は意味を失うことで心の深層へと触れていきます。墨の滲み、掠れ、重なりは、理性の膜を破り、意識の奥へと沈み込む軌跡です。そこにあるのは答えではなく、深さそのもの。意味が発生する直前、思考がかたちになる手前。ここにあるのは言葉ではなく、痕跡であると、伊藤は語ります。

伊藤倫《網の手/ 700×850mm 2022年_墨、和紙》

落ちてくるものと登っていくもの。網羅とは縦横無尽。線と円と黒と白。

 

伊藤倫《draw a line 無駄なこと/630×770mm 2024年_墨、鉛筆、スケッチブック》

伊藤は、無駄な落書きを一貫することに力を注ぎました。「無駄」「落書き」はどちらも「意味のないような」響きです。その無駄をいい歳の大人が続けるのは忍耐力が必要です。人間は何かに意味を見つける存在です。何でもいいから意味がないと人は不安となります。意味がないことは心を空しくさせます。きっとそんなときに胸に刺さる表現があり、色んな思いが浮かんでは消えていきます。今この時間がもう永遠に蘇らない無駄なのかもしれません。

 

伊藤倫《美/730×440mm 2024年_墨、和紙》

「び」は前から読んでも後ろから読んでも「び」。「美」は左右対称なつくり。美しいとは…

 

伊藤倫《天上天下/900×750mm 2025年_墨、和紙》

突き上げるのは上であり下である。

上へと突き動かされる熱量は時に下へも突き動かされます。

 

伊藤倫《マド/200×650mm 2025年_ボンド墨、和紙 》

窓の外から見るのか、窓の中から見るのか。マドという境界線を隔てた自分の心。

 

伊藤倫《網の手-2-/690×875mm 2022年_墨、和紙》

単純な構図から構成された流れと止まるを表現。画面に余白を残しシンプルであるからこそ静寂と躍動が伝わります。

 

伊藤倫《網の手₋掌₋/550×880mm 2023年_墨、和紙》

混ざり合い混じりあって交じることでこの関係は成立する、関り合い交じり交差しすれ違う。

 

伊藤倫《進/715×905mm 2023年_墨、和紙》

伊藤は、文字と非文字の関係は線と点、余白と墨の関係にあると考え、文字の意味と形を理解します。画面を闇雲にぬりつぶす行為から生まれた今作は「進」。伊藤は、文字の形と意味が先か、ふとした瞬間に読み取れたものがあっても良いのではないかと思った。それは文字と非文字の関係であると考えます。

 

伊藤倫《自由/450×370mm 2025年_墨、和紙》

絡み合い、ほどきながら…自由とは手に入れていくもの。

 

伊藤倫

学生時代から詩を綴り始める。自分を受け入れてくれるノートとペン。他者との共鳴、共感を軸に贈る言葉より共鳴する言葉を綴る。詩人・谷川俊太郎氏(故人)との手紙から他者へ贈る言葉の意味を知り、路上などで多くの人に言葉を贈る。その後、ペンを筆に持ち替え、静寂の白に息づく黒の世界、静と動を兼ね備えた作品制作に取り組んでいる。

1977年長野県生まれ。2004年国際ヴィエンナーレ・イン・スペイン出展。日本文化を海外に発信する国際的イベントで短詩系文学(詩)をスペインの地で発表。海外で改めて日本文化に接する機会に恵まれ、そこで観た書のパフォーマンスの圧倒的迫力に心を打たれる。帰国後、地元の飯山市を離れ、長野市に移住。路上での即興書き下ろしパフォーマンスを始め、前衛書作品の創作、ライブ書道、講師も務める。商品ロゴ書、題字書など施設、企業からの商業書道の依頼も多い。独自の書のスタイルを構築すべく日々、作品制作に挑む。

主な受賞歴

令和2年 独立書人団・会友
令和2年 日本書塾会 師範
令和2年 独立書人団 独立展 入選 (国立新美術館)
平成31年 独立書人団 独立展 入選 (国立新美術館)
平成30年 長野県文化会館 ホクト文化ホール35周年記念ロゴ 採用
平成30年 日本書道教育学會展 入選/東京都美術館
平成28年 長野県若手作家公募展「トライアルギャラリー2015選抜作家」
平成27年~29年 日本書道教育学會展入選/東京都美術館
平成26年 日本武道館 高円宮杯 大会奨励賞
平成24年 日本武道館 全国書き初め展 大会奨励賞
平成23年 日本武道館 高円宮杯 日本武道館賞
平成22年 産経国際書展 入選/池袋サンシャイン
平成21年 産経国際書展 入選/東京都美術館
平成20年 黒沢明生誕100周年記念【生きる】入選/銀座クオリア
平成19年~21年 驥山館 特選

主な個展・グループ展

令和7年 長野県ゆかりの美術家グループ展「人間の証明」(ホクト文化ホール/長野県県民文化会館ギャラリー)
令和6年 長野県ゆかりの美術家グループ展「蠢くもの」(文武学校)
令和6年 ART SHODOWグループ展(中目黒)
令和6年 個展「ずきん」画廊Banana Moon(安曇野/企画展)
令和5年 個展「マスク」画廊Banana Moon(安曇野/企画展)
令和3年 伊藤倫展「沈黙の黒、語る白、色はコトノハ」(信毎メディアガーデン・主催 信濃毎日新聞社)
平成31年 企画展「静寂と衝動」(おぼろ月夜の館・主催 野沢温泉村教育委員会)
平成30年    軽井沢プリンスホテル・軽井沢ショッピングプラザ元旦ライブ書道
平成29年 企画展 一線を画す[draw a line](元麻布ギャラリー佐久平)
平成29年 陶芸と書 二人展 (中野陣屋記念館)
平成28年~29年 鶴田一郎美人画展ゲスト作家(北野カルチャラルセンター)
平成27年 鬼無里鬼女紅葉祭り/奉納ライブ書道(松厳寺)
平成27年 個展[天地創造](朝陽館ギャラリー)
平成27年 善光寺御開帳記念/門前町大縁日/ライブ書道(セントラルスクウェアー)
平成22年~24年 白馬五竜ライブ書道(インバウンド向けイベント)

 

伊藤倫 個展「Depth:深さ」開催概要

会期:2026年3月17日(火)~3月31日(火)
時間:11:00~18:00(最終日は16:00まで)
会場:GARDE Gallery
休廊日:日、祝日
販売予定URL:https://www.art-afd.jp/

 

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GARDE Galleryリニューアルオープン ―ニコラ・マニエロ個展「アーバン・ポートレート」が開催

2026年3月2日(月)から3月13日(金)までの期間、リニューアルしたGARDE Galleryにて、写真家ニコラ・マニエロによる個展「アーバン・ポートレート」を開催します。本展では、都市を建築やインフラ、象徴的なランドマークとして捉えるのではなく、公共空間に埋め込まれた人間の存在へと視線を移すことで、都市の新たな表情を探求しています。
新しく生まれ変わったGARDE Galleryの空間とともに、ぜひ本展をご体感ください。

都市をそこに生きる人々の顔を通して探究する

本展では、都市を建築やインフラ、象徴的なランドマークを通して捉えるのではなく、公共空間に埋め込まれた人間の存在へと視線を移すことで探求しています。表情や身振り、そして一瞬の邂逅を通して、高密度な都市生活が生み出す心理的・感情的な状態が浮かび上がります。


展示されるポートレートは、街路や駅、移行的な空間における偶然の出会いから生まれたものです。注意がふと逸れ、防御が緩み、内面が一瞬だけ表出する、そのような瞬間を捉えています。これらは個人のアイデンティティを規定したり物語を語ったりするのではなく、むしろ断片として表されています。部分的で、未解決で、開かれた像として、現代都市に特徴的な不安定さや曖昧さを映し出します。


あえて明示的な文脈的な情報を排することで、従来のドキュメンタリー的な衝動からは一線を画し、周囲の都市はほとんど不可視のまま、光や質感、空気感の痕跡へと還元されていきます。そして都市の圧力が蓄積する場としての「顔」へと焦点を移すと、疲労、孤独、強靭さ、脆さ、そして静かな抵抗が、一つのフレームの中に共存します。それぞれのイメージは、内と外、私的と公的のあいだの閾(しきい)なのです。


ポートレートは未計画の状況から立ち上がり、撮影者の身体的な存在と公共空間の予測不可能な力学によって形づくられます。この方法は、ストリート写真に内在する倫理的緊張を認めつつ、支配よりも不確実性を、所有よりも存在を強調しています。


それらを集合的に見ると、ポートレートは都市そのものの複合的な像を形づくることに気が付きます。そこに一貫した物語や直線的なシークエンスはなく、姿勢や視線、感情のトーンを通して互いに響き合う瞬間の星座があるのみ。反復と差異がリズムを生み、個々の物語ではなく共有された状態が現れます。そこを行き交う人々によって絶えず生成される関係性の可変的な場として都市が形作られるのです。


スピードや消費、視覚的過負荷に支配された状況のなかで、「アーバン・ポートレート」は立ち止まり、他者の存在と向き合うことを求め、時間をかけて観察してみることを提案しています。都市は、モニュメントやスカイラインによってではなく、日々そこに生まれる儚く移ろいやすい、しかし深く人間的な瞬間によるものであると示唆しているのです。




ニコラ・マニエロ

東京を拠点とするイタリア人建築家・写真家。ヴェネツィア建築大学(IUAV)で建築を学び、空間・知覚・日常生活の関係性に早くから関心を抱いた。2010年よりKengo Kuma & Associatesに所属し、現在はパートナーとして、ヨーロッパ、中東、アジアにおける文化施設、インフラ、都市プロジェクトに携わっている。
彼の建築実践は、コンテクスト、素材性、公共空間に対する強い感受性に特徴づけられる。これまで、ランドスケープや社会的利用、集合的体験のあいだを媒介する建築を探究する、複雑な国際プロジェクトに従事。その背景は、写真を独立した分野ではなく、建築的思考の延長として捉える彼の姿勢に深く影響を与えている。
建築家としての活動と並行し、マニエロは現代都市を主題とする独立した写真研究を展開してきた。作品では人間的スケールでの都市生活を探り、周縁的な状況や日常の身振り、計画的な表象からこぼれ落ちる瞬間に着目。建築を対象物として描くのではなく、構築された環境がいかに住まれ、知覚され、感情的に経験されるかを探究している。

ニコラ・マニエロ個展「アーバン・ポートレート」開催概要

会期:2026年3月2日(月)~3月13日(金)
時間:11:00〜18:00
場所:GARDE Gallery(東京都港区南青山5-2-1 ALLIANCEビル4F)
休廊:日、祝日
販売予定URL:https://www.art-adf.jp/

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GARDEで開催のアートプロジェクト:四ノ宮勇魚 個展「やがて灼かれて光るもの」

「写真と言葉」で物語を紡ぐ

2026年2月7日(土)から2月21日(土)までGARDE Galleryにて、アーティスト四ノ宮勇魚(しのみや・いさな)による個展「やがて灼かれて光るもの」を開催いたします。

写真や映像は、言葉よりも直感的に「感情」を伝えることができます。本作品『やがて灼かれて光るもの』は台詞ではなく音楽を使用し、耳の聞こえない少女と同じように、「声ではない方法」で語りかけるような展示空間を目指して制作されました。本展は約50分の映画と140ページの写真集、そしてそれらを組み合わせたパネルからなる展示となっています。「写真と言葉」で物語を紡ぐ制作を行ってきた四ノ宮が、光と影の中に浮かぶ記憶、傷を抱えながらも前を向こうとする人の姿を写します。

アーティストメッセージ

2022年、私は大学の一般教養で手話の授業を選択していました。友人の中には耳の聞こえない先輩もおり、もっと話したいと思うようになりました。
その頃から耳の聞こえない少女を主人公とした物語を紡ぎたいと思い、当事者の方からお話を伺うことがありました。
耳が聴こえないということとは異なりますが、私自身が負っている病があり、自分の世界と外の世界が隔絶されている、うまく伝わらないと感じることが多く、コミュニケーションを取ることをしばしば諦めてしまう場面がありました。
そんな私に手を差し伸べてくれた友人たちは、様々な方法でその壁を取り払ってくれました。その姿が今回の男のキャラクターに反映されています。
今までの作品でも、こころの傷跡に焦点を当てて描くことが多かったですが、今回の作ではさらにその先、傷跡を愛おしむことを描きたいと思いました。
そして、もし、何かの事情で世界に踏み出せない人がいたら、そっと一歩を踏み出せる物語を描きたいと考えるようになりました。

四ノ宮勇魚

アーティストプロフィール

四ノ宮勇魚 |Shinomiya Isana
写真家。神奈川県横浜市に生まれ育つ。和光大学表現学部芸術学科写真ゼミ卒業。2017年、成長と共に変わっていく自分自身の感性をそのまま残したいと思い写真を始める。2020年から「四ノ宮勇魚」名義で本格的に写真を撮り始める。未完成ながら鋭い輝きを放つ少女に惹かれ、少女性をテーマに活動する。2025年にはこころの傷跡をコンセプトに、初めての映像監督作品を手がける。

展示・出版歴
2020年  写ルンです生誕記念写真展出展、家にいルンですスピンオフ写真展出展
2021年  「途中下写」コラボ写真展出展
2022年  二人展「水の肖像」開催、朝日奈まお写真展出展、写真出版賞 奨励賞受賞
2023年  渋谷ルデコ Portrait Biwak出展、wonder photoshopフィルム散歩写真展出展、TV番組『出川のアニキ!』出演
2024年  初個展「真昼を泳ぐ魚たち」開催、同名の写真集を出版、個展 「溺れる鱗」開催、同名の写真集を出版
2025年  個展「溺れる鱗 Reprise」開催、夏目あきほ個展「刻」出展、百音個展「融解熱」出展

四ノ宮勇魚 個展「やがて灼かれて光るもの」開催概要

会期:2026年2月7日(土)~2月21日(土)
時間:平日13:00〜20:00、土、祝日11:00〜20:00
オープニングレセプション :2月6日(金)18:30〜21:00
場所:GARDE Gallery(東京都港区南青山5-2-1 ALLIANCEビル4F)
休廊:日曜
販売予定URL:https://www.art-adf.jp/

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