Trend

1652年創業 江戸時代から370年以上続く日本の美しいデザイン

日本のもの作りがクリエイティブに与える影響

江戸時代から続く老舗、有職組紐道明が、モノ作りの見学・体験もできる施設「Kumihimo Experience by DOMYO」をオープンして間もなく一周年を迎える。
創業は1652年、 江戸時代以来の武士による組紐古典研究の流れを汲みつつ、手染め手組みにこだわり、明治以降全国の文化財に付随する歴史的な組紐の調査研究の積み重ねから伝統的なプロダクトの継承を行うと同時に現代の洋装へ、その技術を活かしたアイテムを取り扱っている。

「伝統と革新」はGARDEが空間デザインを手掛ける際、顧客からの要望となる事も多いキーワードであるが、伝統的で日本文化を象徴するような彼らのモノ作りは、我々のクリエイティブに対しても多くのインスピレーションを与えてくれる存在といえる。
空間デザインは機能性だけで完結する事はほぼ無く、そこに美学というエッセンスが加わる事で人がそこに在る・在りたい、と思える場所になる。

プロダクトデザインも同様で、例えば有職組紐道明の商品ラインナップに「刀剣用下緒」があるが、これは、日本刀の鞘に取り付ける紐であり、その用途は諸説ある。

・ 刀の運搬時のストラップ
・ 闘いの際、邪魔になる着物の袖を縛り上げるためのタスキ
・ 荷造りに使用したり、捕らえた人を縛ったりする紐
・ 兜/鎧などの防具や履物の紐が切れた時の予備
・ 怪我をした場合の止血

など様々な用途に使われた。
道具として使用するならばロープで充分であるが、その装飾的な美しさは、既に芸術である。

ブランディング = 機能+αが生み出す「愛着」

和装や日本家屋、家紋などの伝統文化が持つ、機能+αによって根源的な使い勝手に「愛着」を付与し、個人や団体のブランディングに寄与する。日本の伝統的なプロダクトは、GARDEのクリエイティブにも多くの示唆を与えてくれている。

GARDE公式HP URL
https://www.garde-intl.com/
デザインマガジンURL
https://www.gardedesignmagazine.com/

■「Kumihimo Experience by DOMYO」施設概要
営業時間:11:00-19:00 (金曜日20:00まで)
休館日:水曜日
住所:東京都新宿区神楽坂6-75
URL:https://kdomyo.com/pages/experience
運営会社:株式会社道明
出典: 有職組紐 道明ホームページ https://kdomyo.com/

花見だけじゃない、日本の最新桜トレンド

例年、3月下旬から4月中旬頃まで楽しむことができる「桜」の開花シーズンが間もなく到来。コロナ禍によって制限されていた桜の名所も今では完全に解除され、ポストコロナ初の花見シーズンに、日本人のみならず外国人観光客も期待を膨らませている。

花見スポットとして有名な目黒川では期間中、クルーズのツアーが組まれるほどの観光名所として知られており、夜になるとライトアップされた桜のトンネルが幻想的な世界を水面に映し出す。

さらに近年では、桜の観賞をもっと手軽に楽しみたい人に向け、家庭用インテリアが販売されている。
初心者でも簡単に育てることができる桜の栽培キットやインテリアのアクセントにもなる桜盆栽は自宅で春を彩るのに適した逸品である。

また、桜の楽しみ方は観賞だけではない。
例えばイスラエル発のコスメブランドSABONでは、2023年春にフラッグシップストアのインテリアとして店内に飾られた桜の木をアップサイクルする取り組みが行われた。
多くの来客を魅了し役目を終えた桜の木はそのまま廃棄されるのではなく、製材、乾燥を経て、丁寧に加工されたのち、ハンドミラーとして生まれ変わり数量限定品して販売されている。

このようなサステナブルに配慮した取り組みは、環境保全のみならず人々に新たな価値や楽しみ方を提供できるといえる。

開花シーズンを迎えると、街全体が桜色に色付くほどに至る所で咲き誇る桜。
従来のように桜そのものを観賞する伝統的な花見行事のような楽しみ方がある一方で、インテリアの素材として用いられるケースや、付加価値を見出し消費者へ届ける取り組みも行われている。

日本が誇る「桜」の楽しみ方を思い思いに見つけてみてはいかがだろうか。

Image Credit: Mark Tegethoff, Unsplash /*takechaaaan*, makoto.h, photo AC

【盆栽・菓子・茶・骨董】日本文化の拠点“松葉屋茶寮” ~南青山~

2023年にOPENしたこちらのカフェは、日本の伝統と現代を融合した独自の空間で、日本の文化、技術、伝統の美しさを体験できる場となっています。南青山5丁目とGARDE本社の至近である為、カフェの多い骨董通りでも一際目立つ特別な佇まいに以前から注目していました。

キービジュアルとなる盆栽は国内外に熱狂的なファンを持つ盆栽アーティスト集団〝TRADMAN’S BONSAI〟小島鉄平氏 ( https://www.instagram.com/teppei_kojima501/ )が担当。

日本の四季と食文化を通じて生産者や製造過程の透明化を推進し、「食の安全性」「自給率」「気候変動」への意識向上を図り、世界共通の課題解決に向け持続可能な取り組みを以て社会に貢献することを目指しています。

併設する方舟ギャラリーでは、盆栽・現代アート・器などの展示販売やワークショップなど、さまざまな文化体験を提供。  *多言語対応可能なスタッフが複数名在籍し、文化体験を求めるインバウンドのお客様への対応も可能となっています。

松葉屋茶寮  方舟GALLERY
開業日 2023年12月2日
営業時間:10:00〜
定休日:不定休
住所:東京都港区南青山5-4-27 Barbizon104 1F
Instagram:https://www.instagram.com/matsubayasaryo/
参照元:PRTimes(以下リンクからご覧下さい)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000132679.html

Image Credit: 松葉屋茶寮

ホスピタリティ・住宅プロジェクトのために知っておきたいインテリアデザイントレンド「Japandi」

日本とスカンジナビアの融合が、俗に「Japandi」と呼ばれるスタイルを生み出しています。PinterestやInstagramで検索すると、50万件(増加中)の投稿が確認でき、この言葉とスタイルがどれほどの人気があるか分かります。

2020年のパンデミック以来、住居スペースのデザインとプライベートスペースへの関心が高まっています。テクノロジーの進歩がもたらすストレスと相まって、シンプルであることの価値を再認識するようになりました。

「Japandi」は、このような文化的な状況下において、多くのインテリア愛好者にとっての答えとなりました。このトレンドは、国際的なファッション雑誌からアメリカで注目を集め、ハリウッド女優のジェニファー・ガーナーが彼女のJapandiキッチンを披露するためにウェブメディアに登場したことから始まりました。アメリカのファッション・ライフスタイル誌は、Japandiのスタイルを「少ない方が豊かであるという、2つの歴史的な文化の融合…飾りの少ないスペースを作り出すことが重要で、装飾的なものよりも花瓶やマグカップのような実用的なアイテムをアクセントにしており、自然光も重要視されています」と説明しています。

このトレンドは日本国外で人気が急上昇したと同時に、国内の家具やライフスタイルストアもいち早くこのトレンドに着目し、数々の新作家具が提案されました。日本とスカンジナビアのライフスタイルで共通する価値観は、簡素的な要素(ベージュなどの中間色カラー)に味わい深さを見出し、自然素材(木材、石材、竹など)に寛ぎを求めることです。

シンプルさをルーツとする日本とスカンジナビアの哲学は、このトレンドにおいて難なく融合しています。日本の「わび・さび」とスカンジナビアの「ヒュッゲ」は何世紀にもわたり人々の生活の一部であり続けることでしょう。

写真:Don Kaveen

渋谷区ブランディング:THE TOKYO TOILETプロジェクト

2018年、日本財団は渋谷区と観光協会と協力して、「THE TOKYO TOILET」を立ち上げました。
このプロジェクトは、公共トイレの否定的な偏見を排除し、多様な利用者を認識する社会を実現することを目指しています。

渋谷区での17の公共トイレ改修プロジェクト
場所:神宮通り (デザイナー: 安藤忠雄)

開始以来、渋谷区内の17か所の公共トイレを改修しました。16人の世界的に有名な建築家やデザイナーが参加し、その創造力で社会問題を解決し、トイレのメンテナンスも向上させることを目指しました。プロジェクトのフィロソフィーについて詳しく知りたい方は、こちらの広告よりご覧いただけます。

「THE TOKYO TOILET」に触発された受賞映画「Perfect Days」
場所:代々木深町 (デザイナー: 坂 茂)

ドイツの映画監督ヴィム・ヴェンダースが東京に招待され、各施設を視察しました。このプロジェクトを最初に紹介されたのは、ファーストリテイリングの社長である柳井浩氏でした。ヴェンダースは、高崎拓磨と共同で脚本を執筆し、2023年のカンヌ国際映画祭で上映された役所広司主演の映画を生み出しました。

日本では、トイレを常に清潔に保つことが重要であり、それが世界クラスの「おもてなし」のホスピタリティ文化の象徴ともなっています。

包括的なデザインを通じて生活の質を向上させる重要性
場所:恵比寿駅西口 (デザイナー: 佐藤可士和)

日本では公共トイレが至る所にあります。しかし、その多くは暗く、汚れや臭いが目立つという固定観念があるため、積極的に利用する人は多くありません。改修以来、日本財団が実施した調査によると、このプロジェクトによる効果が見られ、公共トイレのイメージが向上していると報告されています。

改修前と比較して、2か所の場所で公共トイレの利用が7倍、5倍に増加し、公共トイレへ嫌悪感を抱く人の数が30%からわずか3%に減少しました。
日本財団の目的は、魅力的かつ清潔な公共トイレの利用が周辺地域のイメージを向上させ、この施設自体が観光名所になり得ることです。

我々GARDEはデザイン会社として、公共スペースにおけるデザインの重要性を示し、それが社会に与える肯定的な影響を常に利用者目線で最優先に検討することが大切であると考えます。

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撮影:永禮賢 提供:日本財団
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THE TOKYO TOILETプロジェクト
日本財団が、多様性を受け入れる社会の実現を目的に実施する公共トイレプロジェクト。渋谷区全面協力の下、性別、年齢、障害を問わず、誰もが快適に使用できる公共トイレを区内17カ所に設置する。趣旨に賛同する16人のクリエイターが参画し、デザイン・クリエイティブの力で、新しい社会のあり方を提案する。トイレの設計施工には大和ハウス工業株式会社、トイレの現状調査や設置機器の提案にはTOTO株式会社の協力を得て実施。

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