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GARDEがデザインを担当したホテル「ハイアット ハウス 東京 渋谷」が4つのデザインアワードを受賞

(写真右:ハイアット ハウス 東京 渋谷 矢野GM、写真左:GARDE代表取締役社長・室)

GARDEが2024年に内装デザインを担当させていただいたホテル「ハイアット ハウス 東京 渋谷」が4つの国外デザインアワードにて受賞を果たしました。
この記事では施設デザインの振り返りと受賞アワードについてご紹介します。


デザイン概要

「ハイアット ハウス 東京 渋谷」は、「暮らすように泊まる」をコンセプトとしたハイアットホテル&リゾーツブランドの施設です。渋谷駅中心地区の再開発プロジェクトにおける複合施設の一つ「Shibuya Sakura Stage」内に位置し、スイート18室を含む全125室の客室を備えています。

最新のトレンド・カルチャーを享受できる渋谷は、東京の中でも最も多様な価値観を体感する場所である一方で、隣接した高級住宅や古き面影を残す路地や横丁という魅力も併せ持っています。
「多様性のまち SHIBUYA」に見受けられる、この「2 面性」を体験として刻んでいただけるような空間デザインを意識しインテリアに反映させました。

空間に息づくアート作品

渋谷のまちの魅力を発信すべく、3 階エントランスから各客室まで展開されたアートワークもまた、空間デザインコンセプトと連動した「2面性」というテーマで造られています。
渋谷の本質と多様性・双方性を表現した8 名のアーティストによる19点の作品が、施設の共有スペースを彩ります。

施設内アート作品詳細はこちら
>GARDE for 『ハイアット ハウス 東京 渋谷』多様性の街 SHIBUYAでアート探訪

受賞アワード

IDA Design Awards 2024

アワードについて
建築、インテリア、プロダクト、グラフィック、ファッションデザインにおける優れたデザインの先見性を認め、称え、促進し、世界中の新しい才能を発見するため、Farmani Groupによって設立。少なくとも15年の経験を持つ業界のエキスパートによって、すべて同じ基準での審査が行われる。

受賞内容
タイトル:Silver
カテゴリー:Hospitality Interior Design-Hotels / Resorts

MUSE Design Awards 2025

アワードについて
MUSE Design Awardsは、クリエイティブとデザインのプロフェッショナルを顕彰するため世界中から約40名の審査員による審査が行われる、2015年に設立されたアワード。
主催のInternational Awards Associate (IAA)は、新しい才能や既存の才能の発掘と評価を通して業界を前進させることに深くコミットしている。

受賞内容
タイトル:Gold Winner
カテゴリー:Interior Design – Hotels & Resorts

The IPAX Asia Pacific Property Awards 2025-2026

アワードについて
International Property awardsは、不動産・不動産業界のあらゆる分野で活動する企業による最高レベルの業績を称えるため設立。英国をはじめとした、アジア太平洋やアフリカ、ヨーロッパなどの9地域に分かれ開催され、あらゆる不動産分野をカバーする経験豊富な専門家チームによって審査される。

受賞内容
タイトル:Winner
カテゴリー:Hotel Interior

DNA Paris Design Awards 2025 

アワードについて
世界中の才能溢れるデザイン守るべく様々な活動やアワードを運営するFarmaniGroupとクリエイティブ集団InBetweenによりパリに設立。実用的で美しく、革新的なデザインによって私たちの日常生活を向上させる国際的な建築家やデザイナーの仕事を称えるアワード。

受賞内容
タイトル:Honorable Mention
カテゴリー:INTERIOR DESIGN-Hospitality

最新のアワード受賞情報はGARDEニュースレターにて配信しています。
その他、ニュースレターではGARDEが担当した竣工物件のご紹介や各国のトレンド情報、デザイン、アートに関する情報など、幅広くお届けしています。
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ハイアット ハウス 東京 渋谷―施設概要

名称:ハイアット ハウス 東京 渋谷
所在地:東京都渋谷区桜丘町 3-3
階数:地上30階建て (1~3階、6~16階部分)
客室数:125 室
事業主:東急不動産株式会社
建築設計:戸田建設株式会社
インテリア設計:株式会社 GARDE
照明設計:株式会社ライトモーメント

ハイアット ハウスについて

ハイアット ハウスのホテルは、短期でも長期でも滞在に必要なものが全て揃う、広々とした居住空間を求めるお客様のために設計されています。世界中に140軒以上あるハイアット ハウスでは、自宅のようなアメニティ、意図されたサービス、コンテンポラリーな空間を完備。バーエリアではクリエーティブな厳選メニューを用意し、仕事や交流、くつろぐ際にも快適な共有スペースを屋内や屋外に設けています。

ハイアット ハウス
https://www.hyatt.com/ja-JP/brands/hyatt-house
ハイアット ハウス 東京 渋谷
https://www.hyatthousetokyoshibuya.jp/

トレンドリサーチ リカレント教育で「革新的な知識のクリエイター」を産み出す大学院

他人が作った知識のフォロワーでは×、知識をつくる側になれる人材を育てるカリキュラムとは?

東京 表参道交差点の喧騒の一角、閑静な佇まいを見せるモダンな建造物に社会構想大学院大学はあります。コミュニケーションデザイン・実務教育・社会構想の3分野において活躍するプロフェッショナルを養成する専門職大学院として誕生し、一貫して社会人を対象とした教育活動に取り組み「理論と実践の融合」の観点から社会や組織の変革に貢献できる人材を輩出しています。

GARDEの事業の多くは、そういった社会構想・事業構想の一端を担うことで成立しており、この分野における教育や人材育成は非常に重要であると考えています。
今回は、社会構想大学院大学 学監・Provost 実務教育研究科 研究科長の川山竜二氏にお話しをうかがい、学内のご案内もして頂きました。
次の項では、社会構想大学院大学ならではの「リカレント教育」について、ご紹介していきます。

社会構想大学院大学 学監・Provost 実務教育研究科 研究科長 川山竜二氏

リカレント教育とは、学校教育の修了後も生涯にわたって学び続ける事を指しますが、ここでは、普通のビジネススクールで学ぶような「理論」と並行して、一般的な大学院のゼミ活動で行われる「実践」による研究テーマの追及を同時に進めています。更に地域コミュニティーと学びを連動させ、結果、先人たちの紡いできた知識を得るだけの「フォロワー」ではなく、知識そのものを創り出すことが出来る「リーダー・クリエイター」の育成を実現しています。

また現在、日本の大学院では唯一と言える社会教育士の資格取得も可能となっています。

オンラインを中心としたバラエティーに富んだカリキュラムによって、北海道から沖縄までの広い地域に住まう仲間と学ぶことが出来、もちろん表参道や国内各所にある校舎においてオフラインで学ぶことも可能です。

また、取得できる学位に関しては、

  • 社会構想修士(専門職)
  • コミュニケーションデザイン修士(専門職)
  • 実務教育学修士(専門職)

となっています。

御神木に見守られるようにデザインされたエクステリアと校内のアート

最後に、エクステリアのデザインや校内に配されているアート、敷地内にてシンボリックな存在感を放つ、御神木について画像でご紹介します。

直線を基調としたミニマルな構造のエクステリアに様々な有機的要素を加えた独特の様式美
共用部にはアートが配され、現代アートギャラリーのような雰囲気も感じ取れる
シンボリックな御神木を囲むように設計された校舎。そこに鎮座し静寂を保っている

10月4日(土)、5日(日)に開催される社会構想大学院大学のオープンキャンパスではキャンパス見学のほか、ハイフレックス型の授業を体験したり、在校生との座談会を通じて社会人大学院の現場を体感することができます。詳細は以下URLよりご覧いただけます。

社会構想大学院大学HP URL : https://www.socialdesign.ac.jp/
オープンキャンパス2025 : https://lp.socialdesign.ac.jp/opencampus_2025
GARDE公式HPリンク : https://www.garde-intl.com/
GARDE デザインマガジンURL : https://www.gardedesignmagazine.com/

ラグジュアリーブランドが仕掛ける、カフェ・レストランに見る新たな潮流

近年、Hermès、GUCCI、Tiffanyなど、名だたるラグジュアリーブランドがカフェやレストランをオープンするケースが増えています。今回は、ラグジュアリーブランドがなぜ飲食店業態に参入するのか?その理由についてお届けします。

近年のラグジュアリーブランドの傾向

海外ではFENDI やArmaniが手掛けるホテルが開業され、日本ではブルガリ ホテル 東京が2023年に誕生し、そのブランドの世界観が楽しめるとして、また従来のラグジュアリーホテルとは違った楽しみを得られる場として、生活者の憧れの施設の1つとなっています。

現代の消費者は、モノ消費からコト消費、体験や感動、共感といった、形のない価値を求める消費者が増えている傾向にあります。その中でもホテルの流れを踏襲し、カフェやレストランにおいてもブランドを体現した空間やメニューの提供によって身近にブランドの世界観を体感してもらう場として欠かせない市場であるといえます。

ブランドの世界観を五感で表現

様々なラグジュアリーブランドが展開するカフェやレストランは、その美意識、様式美や世界観を体現する空間として設計されており、インテリア、食器、音楽、そしてもちろん料理に至るまで、細部にまでブランドのこだわりが反映されています。

例えば、大阪心斎橋にあるラグジュアリーブランドの世界初のカフェレストランでは、ブランドらしい落ち着いた空間デザイン設計になっているほか、第2号店となる東京・銀座の店舗は外観のビルデザインに合わせた色彩で爽やかな空間デザインが特徴となっており、店舗によって異なった楽しみ方や特別なひとときを楽しむことができます。いずれの店舗にもお客様をお出迎えする入口にブランドの代表的な商品がインテリアとして飾られ、店舗内ではナプキンホルダーや提供されるラテアートにブランドの特徴的なデザインが施されているなど、細部へのこだわりによってブランドカフェで過ごすラグジュアリーな時間への期待感とブランドの存在感をしっかりと表現された空間となっています。

AMI PARISは表参道通りに「LE CAFÉ AMI ル・カフェ・アミ」を期間限定で開催。1階はイートインスペースとしてAMI PARIS のブランドの世界観を楽しむことができ、2階はブランド商品を販売しており、単なるレストラン・カフェだけでなく、より深いブランド体験と一層ブランドへの愛着を深める空間となっていました。

気になったブランドカフェやレストランは是非店舗へ

ラグジュアリーブランドが取り組むホテルやカフェ・レストランは気軽にブランドの世界観を感じることができる機会となっています。なかなかブランド店舗の扉を開けにいくのは少し勇気がいるという方も多いかもしれませんが、ブランドのこのような取り組みをきっかけに実店舗のストアにも訪れていただき、空間そのものを楽しんでいただけると嬉しいです。

GARDE Design Magazineではプロジェクト実績の紹介、建築やデザイン、アート関連のトレンド、イベント情報を掲載しています。
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千年の美が創る未来:西陣織が空間デザインにもたらす革新

京都・西陣で千年にわたり受け継がれてきた西陣織。伝統的な技術と美しさで知られており、その歴史は1200年にもおよびます。海外では織物=テキスタイルと呼ばれ、ディオールやシャネル、エルメス、カルティエなどのブランド店舗の内装に使われるなど、空間デザインの分野でも注目を浴びています。

西陣織の空間デザインへの革新的な活用

西陣織は、その多彩な技法と精緻なデザインで、インテリアファブリックとしての新たな展開を見せています。例えば、渡文株式会社は、帯地の製織で培った技術を活かし、タペストリーやアートパネルなどのインテリアファブリックを制作しており、「満月」や「砂紋」といった作品は、西陣織の技法である「ふくれ織」を応用することで作品としての立体感や光沢を巧みに表現しています。

また、株式会社加地織物が展開するブランド「KYOGO」は、西陣織の伝統技術と現代のデザインを融合させたインテリアファブリックを販売。フランス・パリのショールーム「ESPACE DENSAN」での展示では、壁紙やファブリックパネル、クッション、シェードなど、多様な製品が紹介され、海外からも高い評価を得ています。

アップサイクルによる新たな価値創造

西陣織の伝統的な素材や技法を活かしつつ、現代の感性を取り入れたアップサイクルの取り組みも注目されています。廃棄されたビニール傘を再利用したアップサイクルブランド「PLASTICITY」と、桐生織の森秀織物株式会社、クリエイターのEmi Arihisa氏がコラボレーションし、桐生織から着想を得たリ・デザインを活用したマルチショルダーケースが販売されています。

伝統と現代の融合が生み出す未来

西陣織は、伝統的な技術と美意識を継承しつつ、現代のデザインや技術と融合することで、新たな価値を創造しています。熱海の「桃乃八庵」は、由緒正しき別荘エリアとして知られる春日町で、長く愛され続けてきた旅館の別館だった建物。5年間放置された築85年の建物でしたが、その古民家を再生・リノベーションし、キュレーションホテルとして生まれ変わり、部屋のソファと黒いサロンチェアの張地は斉藤上太郎氏デザインの西陣織が採用され、伝統とモダンが調和した空間が生み出されています。

日本ではその継承者不足によりここ30年で日本の着物市場全体は5分の1へ、高級な「帯」が主力である西陣織の市場は10分の1へと減少しているといいます。近年では存続のために機械化に挑戦する工房も増えているといいます。伝統工芸である西陣織が持つ無限の可能性が再注目を集めることで、その価値と存続の重要性が伝わることを祈っています。

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進化する木造建築:環境負荷ゼロを目指した未来のかたち

木造建築は、環境負荷の低減や持続可能性、そしてデザインの革新性から、世界的に再注目されています。本記事では、木造建築の魅力と機能性、そして日本における将来性について、国内外の具体的な事例を交えてご紹介します。

環境負荷の低減と持続可能性

木材は再生可能な資源であり、成長過程で二酸化炭素を吸収・固定します。鉄やコンクリートと比較して、製造時のエネルギー消費が少なく、建築物のライフサイクル全体での環境負荷を大幅に削減できます。また、木材は炭素を固定し続けるため、地球温暖化対策にも貢献すると注目を浴びています。

技術革新とデザインの可能性

近年、木造建築技術の進化により、高層建築や複雑なデザインも実現可能となりました。特に、*1CLT(直交集成板)や*2プレファブリケーション技術、木材と他の材料を組み合わせたハイブリッド構造などが、木造建築の可能性をさらに広げています。木材は視覚的な温かみだけでなく、調湿性や断熱性にも優れています。そのため、木造建築は快適で健康的な居住空間を提供し、リラックス効果やストレス軽減が期待されています。

*1CLT(直交集成板): ひき板を繊維方向が直交するよう に積層接着したパネル
*2プレファブリケーション技術:工場等であらかじめ部材の加工、組み立てを実施しておくこと

海外における木造建築の事例

海外でも、木造建築の革新的なプロジェクトが進行中です。オーストラリア・シドニーでは、世界最高となる高さ182メートルの木造ハイブリッド構造ビル「Atlassian Central」が建設中です。このビルは、木材と鉄骨を組み合わせた構造で、環境負荷の低減とデザイン性を両立しています。また、ドイツのウーアバッハでは、自己成形する木材を用いた「ウーアバッハ・タワー」が建設され、木材の乾燥収縮を利用した革新的なデザインが注目を集めています。

日本における木造建築の将来性

日本は世界有数の森林国であり、古くから木造建築の技術を受け継いできました。近年では、CLTをはじめとする新しい木質材料の利用や、伝統的な木組み技術と現代技術の融合が進んでいます。また、法規制の緩和や技術開発、地域活性化など、木造建築の可能性を広げる取り組みが進行中です。

具体的な事例

HULIC &New GINZA 8(東京都):銀座中央通りに位置する地上12階、地下1階の商業施設で、日本初の12層木造架構を実現しています。燃エンウッドの柱・梁やCLTを用いた制振壁など、最新の木造技術が採用されています。
takenaka.co.jp

Port Plus(東京都):地上11階建ての純木造耐火建築物で、壁や床、屋根の構造体にCLTを使用し、内装の天井や階段、家具等にもCLTを活用しています。自社の宿泊機能付き研修施設として、木造建築の新たな可能性を示しています。
clta.jp

いま再注目されている木造建築。環境への配慮、デザイン性、そして技術革新の可能性を改めて示し始めています。日本における木造建築の未来は、これらの取り組みにより、さらに明るく、持続可能な社会の実現に向けて大きな役割を果たすかもしれません。

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