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豊かな心と暮らしへと導く、アートギャラリー

ギャラリースペースは、アートと人が出会い、交流する場所です。それはマインドフルネスや自分の心に向き合うきっかけとなる場所でもあります。

CUTURI GALLERY
シンガポール

ライオンシティのアートシーンの育成を目的としたシンガポールの次世代ギャラリーCUTURIは、アート界の古いしきたりを打ち破ろうとしています。「創業者であるKevin Troyano Cuturiは、伝統的なアートギャラリーのスタイルや慣習にとらわれず、アートを愛し、斬新なアイデアで世の中を変える起業家のように古い規範に挑むことで、業界に変化をもたらした」と周囲は語ります。

CULTURIは、アートは人に生きる力を与え、生活を豊かにするものだと信じています。そこでチームは、“変化を恐れず、芸術の多様性を守る”ことに徹しました。一般的なギャラリーのスタイルや慣習にとらわれることなく、透明性を持ち、全てを受け入れ且つ開放的であることを常に心掛けています。
また彼らは、「私たちは心に訴えかけるような、多様な才能にあふれる質の高いアートを広く世に知らしめ、まだその才能は開花していなくても意欲的なアーティストたちを世に送り出します。」とも付け加えた。

自分の心に向き合う日常や空間を追求するため、彼らは動き始めています。コミュニティ以外の人たちにも同様の活動をしてもらうために、まずは組織内から働きかけを始めました。それはアーティストとコレクターの間に生まれる互いに理解し合う気持ちや、美しいものを愛でる心に互いに共感することで生まれる関係性をつくるためです。支援と協力によって成り立つ業界を円滑にすることで、まさにマインドフルネスの理想的な状態で制作、展示、販売された作品を、コレクターは手に入れることができるのです。結局のところは、私たちのプライベートな空間、そしてそこにあるアートは、私たちを取り巻くエネルギーそのものだと言えます。

SALCEDO AUCTIONS
マニラ、フィリピン

2010年に設立されたSALCEDO AUCTIONSは、美術品、装飾品、宝飾品、その他の収集品などを専門とするフィリピンのプレミア・オークションハウスです。SALCEDOのスタッフは、世界中のさまざまな芸術作品がその価値を理解し評価されるよう、様々な活動を行っています。同社は経験豊富なコレクターやアート界の著名な評論家と協力したり、子会社のGavel & Blockを通じて新しい愛好家を受け入れることで、コミュニティを広げています。

NEXタワーの中2階にある広々としたスペースに移転後は、幅広く様々なジャンルのアートコレクターに楽しんでもらえるよう、展覧会や季節ごとのオークションを積極的に開催しています。これらの様々な取り組みを通じて、貴重な美術品と新しいスペースや愛好家を結びつけることが目的です。SALCEDOのパートナーたちは、「私たちは常に空間のストーリーでアートを見ています。それが家の中であろうと、ギャラリーでの展示であろうと、あるいはオンラインでのビジュアルショーであろうと。作品は、どんな空間に置かれるかでその印象は大きく左右されるものであり、またその大きさも然りです。それは圧倒されるほどの大きな作品ですか? それとも近づいてみて初めて引き込まれるような小さな作品ですか?」色彩やテーマも、作品が見る人にどのような印象を与えるか、また最終的にはその空間をどのように演出するかにも影響します。アート、それを鑑賞する人、そして空間、これらが密接にかつ様々に影響し合うことについて、彼らは「一般的に自分の空間に本当に合う作品に出会ったとき、その作品が空間を支配するのではなく、その空間の世界を完成させることに気付くでしょう。すると自然にその空間で寛げるようになる。」と言います。
アートで心を落ち着かせるのに明確なルールや指針はないと、SALCEDOの著名なキュレーターは断言します。「結局は人によって異なるものであり、それこそが芸術の魅力でもあります。一方で歴史的にも心理学的にも、特定の色がより穏やかで平和な雰囲気を作り出すということもわかっています。」コミュニティにも還元しながら空間をつくることは、アートに心の拠り所を見出すこととも言えます。

SALCEDOGavel & Blockでは、724日に待望の「インテリア」オークションを開催します。「インテリア 」は、自分の家に合う作品を見つけるための新たな機会です。またこのオークションでは、地元の慈善団体であるHands on Manilaと協力して、コミュニティ開発プログラムの支援も行うそうです。

SOLUNA FINE ART
香港

アジア各地のファインアート作品を扱う新しいスペース「Soluna Fine Art」は、東洋のデザインやその哲学に注目を集め再活性化することを担っています。Soluna Fine Artのスタートにあたり創設者のレイチェル・リーは、アジアの現代美術作品を国際的な舞台に上げたいと考えていました。また彼女は、良いエネルギーや作り手のメッセージが感じられ、インスピレーションをもたらす作品を厳選することで、見る人がそれぞれの心と向き合えるきっかけをつくりたいというビジョンも持っていました。

「空間と調和する作品は、デザインによる疑似体験を超えて、個人の心理的なインスピレーションを呼び覚ます豊かな体験をもたらします。空間を意識して作品を選ぶ際には、まずその空間の特徴や目的を理解しなければなりません。なぜなら、作品はそれぞれのアーティストが生み出したエネルギーの産物であり、独自の特性を持っているからです。」とレイチェルは言います。 
アートは、大きさやその表現、ジャンルを問わず、心の糧となります。家やプライベートな空間をアート作品で満たすことは、本質的に新しいエネルギーを受け入れることなのです。またレイチェルは「空間は私たちの生活をデザインし、それを映し出します。人間はどんな雰囲気の中にいるかによって、異なる思考、エネルギー、インスピレーションを生み出すのです。」とも言っています。

例えば、現在ギャラリーで開催されているKim Young-Hunの個展は、私たちがデジタルの世界で経験するものからインスピレーションを得ています。Ripple Rippleと名付けられたこの油絵の展示は、鮮やかな色とエネルギッシュなストローク(革製のブラシを使用)で、現代的な視点や観点を表現しています。それぞれのキャンバスには、刻々と変化するデジタルの世界に対する自分の考えを表す色や形が描かれています。技術によってますます変化する新しい生活様式に触発されながらも、「アジアンアートが持つある種の穏やかな構成を保っている」ところが見事です。 

Cuturi Gallery
https://www.cuturigallery.com/

Salcedo Auctions
https://salcedoauctions.com/

Soluna Fine Art
https://www.solunafineart.com/

コーポレート・ウェルネスの実践

新型コロナウィルスをきっかけに起こった世界的なパンデミックは様々な形で人々の生活に影響を与えそれを機にリモートワークが増えるなど職場環境が大きく変わり、身体的なことだけでなく、メンタルヘルスへの意識が高まっています。そのため企業は生産性を高めながらも、従業員の心と身体の健康を育み、仕事だけでなく日常の様々な場面においてもストレスなく過ごせるようなウェルネスプログラムを実施するなど、健康に関わる総合的な取り組みに力を入れています。

なぜ企業はウェルネスプログラムに投資するのか?

ライフコーチとして成功しているPivot Pointの代表Sarah Kalmetaは次のように話しています。「結局のところ、ビジネスは人で成り立っています。人は心身ともに満たされているからこそ仕事に打ち込むことができ、仕事に集中できるということは心と身体が健やかな状態であると言えます。従業員を大切にすることで、コスト削減、ストレスの軽減、離職率の低下、生産性の向上、士気の向上、更には従業員や顧客との関係をより高めることなどが期待できます。企業のウェルネスプログラムは、雇用者と従業員の双方に良い影響を与えることがわかっています。」

コーポレート・ウェルネスの実践による組織や仕事のパフォーマンスへの影響とは?

ライフコーチであり、Balance Health Hong KongのオーナーであるJudy Xuは、ウェルネスプログラムはビジネスに不可欠な要素であり、従業員の幸せ、モチベーション、意欲を維持することが、生産性を高め、ビジネス全体のパフォーマンスにつながると話します。

「かつてはチームで同じ目標に向かって働くことで、みんなが幸せな気分になれました。ですが昨今、特にミレニアル世代は仕事に対して明確な目的意識を持っており、会社が自分たちをどのようにケアしてくれるのかについても常に意識しています。

当社のコーポレート・ウェルネスのアプローチは、従業員の仕事面だけでなく生活全般を総合的に捉え、心と身体の健康をケアすることで人生の目的と会社の目的を一致させ、仕事での満足感や充実感を高めることです。結果、従業員やチームの生産性や課題を解決する力を向上させることを目的としています。」

コロナ禍におけるコーポレート・ウェルネス・プログラムの実践例

自然界に存在する全てのものを「木」「火」「土」「金」「水」に分類する五行説。その各要素のバランスを整える効果のある、経絡エクササイズも含めた中国伝統医学のウェルネスプログラムは、免疫力を高めることに非常に効果があります。この自己治癒力を高めるトレーニングは、主要な経絡の詰まりを取り除き、気の循環を促すようにプログラムされており、経絡ストレッチや指圧、シンギングボウルを使って瞑想するなど、心身ともに健やかに導きます。

また精神的な疲労のケアや、チーム内のつながり強化、職場での健康維持のために家庭でも実践できるインタラクティブなリモートワークショップもお勧めです。呼吸法や自己認識、マインドセット、瞑想、適度なエクササイズなどにより、在宅勤務で感じる精神的な疲労をコントロールできるように導きます。

企業が状況に応じたウェルネス・プログラムを実践することで、従業員が健康に働ける環境を整えることが可能となります。それにより、最大のパフォーマンスが発揮され、高い生産性の実現、ひいては経済的損失を最小限に抑えることができるのです。

アジアのウェルネス・リトリート3選

世界的なパンデミックは、さまざまな形で私たちの生活に大きな影響を与えていますが、この状況下で注目を集める産業のひとつにウェルネスがあります。多くの人が緊張から解放され癒しを求める中、健康を維持することや免疫力を高めることへの関心が高まり、ウェルネス・リトリートの需要はますます大きくなっています。

リラックス方法は様々ですが、心と体のリラックスには、贅沢なウェルネス・リトリートに勝るものはありません。とりわけ、アジアのラグジュアリー・ヘルス・リゾートは今、人々が健やかさを取り戻すためのプログラムの開発に力を入れています。海にも山にも、魅力的なディスティネーションはありますが、それぞれに相応しい過ごし方をご紹介します。

フィリピン・ネイパラドで人生をリセット

マニラから飛行機で1時間、シアルガオ島の東南端に位置するネイパラド。 2つの異なる海洋生態系の間に位置するこの“隠れ家”では、太平洋を見下ろす手つかずのビーチで静かな時間を過ごすことができます。

プールサイドでは、このサンクチュアリに点在するハンギングポッドで日光浴をするなど、プライベートベイで一日中寛げます。朝はマングローブと海にある2つのパゴダで過ごし、午後はトランポリンで遊び、夜は屋外のバーで過ごすのもいいでしょう。手織りの調度品で飾られたスパで受けるリラクゼーショントリートメントは、特に雰囲気のある夜がお勧めです。

ネイパラドでは、ボートハウス・パビリオンでのウェルネス・トリートメントが特に有名で、そこでは、屋外でのヨガ・メディテーションも行っています。こちらにはジムエリアもあり、癒し効果が高いと言われているフィリピンの伝統的なマッサージ、「ヒロット」の施術も受けられます。ネイパラドは、伝統的な建築物、現代的なインテリアデザイン、息を呑むような大自然が見事に調和しており、屋外で過ごす時間とサステナビリティによって、最高のラグジュアリーを提供しています。

チバソムのホリスティック・リトリート、タイ

アジアのラグジュアリー・ウェルネス・デスティネーションとして数々の賞を受賞しているチバソムは、モダンなインテリアデザインが特徴で、伝統的なタイのパビリオンを含む54の洗練された客室で本格的な体験ができます。

タイ湾沿いに位置する、ホアヒンにある約28,000㎡もの緑に囲まれたチバソムには、温かみのある色調と天然素材を使用し、新しく改装されたオーシャンルームとスイートルームがあります。各ヴィラには、ダイニングエリア、ドレッシングルーム、ミニパントリー、2つのトイレが完備されオイルバーナーの香り、バスルームのアメニティ、ベッドルームのリネンや枕など、お客様の好みに合わせてカスタマイズされています。

またアジアでも有数のウェルネスプログラムを提供していることで知られており、自然の中でゆったりと過ごしながら、世界最高の医師によるホリスティック・ヒーリング・プログラムが受けられます。 デトックス、ヨガ、フィットネス、フィジオセラピー、ウエイトマネージメントなどのウェルネスプログラムは、ひとりひとりの状態に合わせて行われるので、効果を感じやすいことが人気の理由です。

インドネシア、コモ・シャンバラ・エステートでのリモートヒーリング

ウブドの緑豊かな熱帯雨林に位置するコモ・シャンバラ・エステートは、「変化のための贅沢なリトリート」として広く知られています。癒しとライフスタイルの変化によってポジティブになれる、最先端のレジデンス・スタイルの宿泊施設です。

壮大な熱帯ジャングルの中で、ライフコーチ、エネルギーヒーラー、ヨガマスター、栄養士など、高度な訓練を受けたウェルネスの専門家による癒しを体験し、自然とのつながりを感じることで、健康な心と体を手に入れることができます。

ヴィラとスイートは、約93,000㎡の敷地内に配置され、とても穏やかで落ち着いた環境です。各部屋には天然木の家具が配され、屋外テラスと半屋外のバスルームがあります。屋外プールでくつろいだり、ガイド付きツアーで楽園を探検したり、マッサージセラピーやその他のウェルネス・トリートメントが受けられるなど、心に深く刻まれるような体験を提供しています。

出典:
https://www.naypaladhideaway.com/
https://www.chivasom.com/
https://www.comohotels.com/en/comoshambhalaestate

いずれは訪れたいユネスコ文化遺産

世界的なパンデミックの影響で、“死ぬまでにやっておきたいことリスト”はしばらくお休みしていました。今回の経験により私たちは、環境に配慮し、文化遺産を保護することの大切さを学びました。私たちのみならず次世代の人たちが様々なことを体験し学ぶ旅ができるよう、この状況が一日も早く収束し、国境を越えて自由に旅することを心待ちにしています。

ユネスコ遺産には、文化的、歴史的価値の高い建築物がたくさんあります。自由に旅ができるようになったら、環境にも配慮しつつ、思う存分楽しんでみてはいかがでしょうか。

タージマハル(インド)

インドの豊かな歴史を象徴するムガール建築の粋を集めたアイボリーホワイトの霊廟は、シャー・ジャハンが最愛の妻ムムターズ・マハルの死を悼んで建てたまさに“愛のモニュメント”です。このモニュメントは、緑豊かな庭園、美しいプール、噴水に囲まれた42エーカーの美しく広大な敷地にそびえ立っています。

インド、イスラム、ペルシャの建築様式が融合したこの魅惑的なモニュメントを設計したのは、ラホール出身でシャー・ジャハンの宮廷建築家として活躍していたウスタッド・アフマド。インドの有名な詩人、ラビンドラナート・タゴールは、世界で最も魅力的な建築物のひとつであることを称えて、「時の頬をつたう孤独な涙」と表現しています。 

清水寺 (日本)

京都で最も有名な寺院のひとつである清水寺は、「音羽の滝」の清水に由来しています。最大の特徴である168本の柱で構成された木造の舞台からは、四季折々の京都の街並みを一望できます。

この象徴的な本堂が有する、山に張り出した木造の建物は「清水の舞台」と呼ばれています。拝殿の下は、複雑に編み込まれた木の梁で支えられています。また清水寺の見どころのひとつである子安塔は、桃山時代の建築様式を取り入れた三重塔で、当初は聖典や遺物を納めるために設計されたと言われています。

ポタラ宮 (チベット)

金色の屋根が街を見下ろし、谷底から300メートル以上の高さにそびえ立つ歴史的建造物であるポタラ宮は、チベット建築の頂点を象徴しています。ラサ北西部の赤い丘に、36万平方メートルを越える広大な敷地に宮殿、城、寺院を有するこの壮大な建築遺産は、最も高い標高に位置する、大規模でそして素晴らしく保存状態のよい、非常に稀有な建築物です。

本殿は、400m× 350m、建築面積にしておよそ1万3000平方メートル、傾斜した石壁は厚さ3〜5メートルの粘土で覆われています。また地震に備えて、基礎部分には溶かした銅を注入するなど、堅強につくられています。

アンコール・ワット(カンボジア)

ピラミッドと同心円状の回廊からなる古典的なクメール建築の代表格であるアンコール・ワットは、カンボジアの森の奥深くにあり、その壮大な尖塔はカンボジアの誇りです。

アンコール・ワットは、400平方キロメートル以上の広大な遺跡群の中に鎮座し、その数百の遺跡群では、1.5トンの石材約1,000万個が使用されており、エジプトのピラミッドよりも多くの石が使われています。

蓮の形をした象徴的な高層塔、広大な壁、無限の回廊には、豪華な彫刻が施されています。これらの彫刻は、アンコール・ワットの歴史的な出来事や民間伝承の物語を表現しています。

世界遺産は、人類の創造力と文化的意義が融合した世界的な傑作であると同時に、観光業を盛んにし地域経済も活性化させるものでもあるといえるでしょう。

出典:

https://whc.unesco.org/en/list/252/
https://en.wikipedia.org/wiki/Kiyomizu-dera
https://en.wikipedia.org/wiki/Potala_Palace
https://www.britannica.com/place/Angkor

アジア: 観光業界における グリーンイニシアチブ

贅沢な旅行とサステナビリティは相反するコンセプトのように思われますが、アジアの多くのホテルがその開発や運営においてサステナブルで環境にやさしい活動を推進しており、今や環境に配慮した観光がホスピタリティ業界の主流となっています。実際、国連世界観光機関の調査においても、国境を越える旅行によって排出される二酸化炭素は全世界排出量の5%であると報告されています。アジアの素晴らしいホテルやリゾートでは、エコロジーを基本戦略のひとつに掲げ、森林再生プログラムやエコリゾート、エネルギー効率の高い設備の導入などに積極的に取り組んでおり、二酸化炭素排出量を削減しながら快適なサービスを提供しています。

1. マリーナベイ・サンズ―シンガポール

シンガポール随一のグリーンマークビルとして認定されている、統合型ラグジュアリーホテルリゾート。3棟からなる55階建てのタワーは、頭上に公園が広がる屋根でつながっており、年間およそ4,500万人が訪れています。

1,880万ドルを費やして導入したインテリジェントビル管理システムにより、水とエネルギーを自動的に資源として再利用。エレベーターは自動充電により従来のものよりエネルギー消費量を40%抑えることが可能になり、ホテルの象徴的なインフィニティプールには節水システムが採用され、2,561室ある全ての客室にエネルギー効率のよいLED電球を使用し、省エネ型の冷水式空調システムが設置されています。またサンズエクスポとコンベンションセンターの「グリーンミーティング」スペースでは、紙資源、人件費、輸送費を削減するため、電子販売ツール、リサイクル可能なオフィス用品、使い捨てではない食器やガラス製品などを使用しています。

持続可能で資源効率に優れ、気候変動に強い国を構築するというシンガポールの指針を全面的に支持するマリーナベイ・サンズは、2020年の取り組みにおいては「気候変動への対応」「水・廃棄物の循環型社会」「持続可能な食と文化」「キャパシティの構築」の5つに焦点を合わせました。これらは企業としてのサステナビリティに対する積極的な取り組みと二酸化炭素排出量削減という使命を掲げながらも、顧客には最高のおもてなしを提供するというコミットメントでもあります。

2. グランドハイアット―ジャカルタ、インドネシア

グランドハイアットは、緑豊かな熱帯樹に囲まれた環境にやさしい5つ星ホテル。気候変動や環境問題に対処するための持続可能な取り組みとして、45枚もの太陽光発電パネルを設置したパイオニア的存在です。他にもエネルギー効率の良いLED電球に変え、各所にモーションセンサー照明を設置するなど、環境に配慮した省エネ活動を推進しています。

ソーラーパネルは毎日最大20室の客室へ電力を供給し、30年間で400トンの二酸化炭素排出量を削減しています。これは170,000リットルの車両用ガソリンに相当します。使い捨てプラスティックの使用量なども断続的に削減し、環境にやさしい製品に変更しています。またデータ監視システム「エコトラック」の導入により、ハイアットが経営する世界中のフルサービスホテルのエネルギーと水の使用量、廃棄物や温室効果ガスの排出量を可視化し、環境に対する問題意識を喚起しています。

2021年には気候変動、水の管理、廃棄物、また地域社会への継続的な取り組み戦略を見直し、グランドハイアットは常に独自の環境に配慮した空間をゲストに提供しながら、サステナブルな未来を届ける事にコミットしています。

3. ソネバキリ―タイ

自然の熱帯雨林と離島に囲まれた環境に優しくラグジュアリーな5つ星リゾート“ソネバキリ”は、「スローライフ」の哲学である、サステナブル、ローカル、オーガニック、ウェルネス、ラーニング、インスピレーション、楽しさ、体験を掲げ、いわばラグジュアリーであると同時に持続可能なツーリズムの見本のような存在です。持続可能性を優先する100%カーボンニュートラルなこのリゾートは、タイに50万本以上の木を植え、300エーカー以上の生物多様性エリアを生み出し、二酸化炭素排出量を25万トン以上削減。また食事も、リゾートのオーガニックガーデンで自然に育てられた食材を使った料理を提供しています。

積極的なリサイクル、有機農業、スマートコンポスト、水のリサイクルシステムを通して、環境、社会的、さらには経済的にもポジティブな影響を与えるグリーンイニシアチブプロジェクトを段階的に推し進めています。2020年2月には、エコセントロと水のボトリング工場を開設。提供される全ての飲料水が濾過され、ミネラル、アルカリ化され、再利用可能なガラス瓶に瓶詰めされます。

ソネバキリはカーボンニュートラルを実現し、統合的で責任ある観光業の運営を主要な経営戦略で約束しています。それは自然環境を保護しながら、ゲストにはここでしかできない体験を提供することに他なりません。

4. ザ ダタイ ランカウイ―マレーシア

1000万年前の熱帯雨林の中心に位置する豪華なエコツーリズム、ザ ダタイ ランカウイはEarthCheck Eco認証プログラムに世界で初めて参加しました。

この認証プログラムは、持続可能な観光組織が、環境に与える影響を軽減し、地域コミュニティを最大限にサポートしながら5つ星のリゾートにふさわしい静かな空間と豪華な設備を備えたゲストに最上級の体験を提供する事を目的としています。

環境にやさしい取り組みとして、パーマ カルチャー ガーデンを設置したほか、グライハウストレイルでは、畑から食卓まで持続可能で新鮮な食糧生産を体験できるセルフガイドツアーを実施。オーガニックウェルスセンターには、水牛の糞尿や生ゴミを分解してバイオ肥料を生成する有機ワームファームを備えており、コンポストでは毎日300〜700kgの食品廃棄物を堆肥化しています。また下水処理場からの水を湿地帯にポンプで送りこみ、植物によって浄化するろ過システムを使用しています。ザ ダタイ ランカウイは、長年にわた持続可能性への取り組みにより、地域の環境を保護しながら、世界中から訪れる旅行者に国際的にも質の高いサービスを提供し続けてきました。

5. ソンサー プライベート アイランド―カンボジア

手つかずの自然が満喫できるコ・ロン島のエコ リュクスリゾートであるソンサーは、自然環境からインスピレーションを受けたリゾートの美学と、リサイクル、堆肥化、持続可能な地元の素材を使った建築など、環境に優しい様々な取り組みに誇りを持っています。

建設資材の輸送時に排出される二酸化炭素を最小限に抑えるため、ヴィラの構造材に地元の砂岩や、近くの河口で解体された船の木材を再利用したり、リゾート内の家具は地元のビーチに流れついた、状態の良い流木から作られています。また、オーダーメイドでキャンバスに描かれ、リサイクルされた漁船の木材で額装されたアート作品もいくつもあります。

ソンサー プライベート アイランドは、持続可能な観光とホスピタリティを提供することにおいて一切妥協することなく、ここでしか体験できない環境を提供しています。

出典

https://www.unwto.org/news/tourisms-carbon-emissions-measured-in-landmark-report-launched-at-cop25

https://www.marinabaysands.com/content/dam/singapore/marinabaysands/master/main/home/environmental-sustainability/commitments/MBS-Sustainability-Highlights-Report-2019.pdf

https://www.ibcsd.or.id/ibcsd-events/sustainable-business-award-2017/

https://green-hotel.org/2015/09/11/a-luxury-eco-resort-in-thailand-2/

https://sg.asiatatler.com/life/eco-friendly-malaysian-hotels-on-our-travel-list-this-year

https://www.songsaa-privateisland.com/en/blog/2019/06/17/design/the-sustainable-design-of-song-saa/73-16/

https://soneva.com/soneva-jani/soneva-jani-chapter-two

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